越川禮子さんが、24日で93歳になる。
少し早めのお誕生会のため、越川邸を訪れた。
誕生会は、去年に続いて2回目。
真友の高野さんとは、禮子さんを巡る三角関係だ。
高野さんは、禮子さんを「お師匠」と呼び、
これまでも教えを乞いにやってきている。
きょうも、「きちんと、江戸しぐさを学びたいと思っています。時間いただけませんか」と意欲を見せていた。
禮子さん曰く「いまいなくなった大人(だいじん)よね」。
ボクも、禮子さんから学びを得たいと、月1回通いインタビューした。
「あなたは太陽の男よね」と恋文をもらい、有頂天になっていた。
そんな2人を見て、禮子さんは、「あなたたちはお似合いよね」と、
ボクたち2人をライバルでなく、佳き関係と見定めてくれている。
ボクは、禮子さんの笑い声が好きだ。
何か言っては、カンラカラカラと笑い飛ばす。
憂さなど、すぐさま吹き払ってくれる笑い声だ。
19歳で結婚、40歳で起業、60歳でアメリカの老人問題を取材、
65歳で江戸しぐさに出会い、70歳で夫に先立だれる。
幾多の降りかかる出来事を潜り抜けてきた上の笑い声だ。
禮子さんは、簡単には納得しない。
ブレない自分の意見を持ち合わせている。
きょうも、疑問がわくことがあり、そのことがなかなか解決しないと、
書棚から本を持ち出し、納得いくまで調べている。
ボクたちの会話はそっちのけで。
そんな禮子さんのことが、高野さんもボクも大好きなのだ。
(一心不乱に調べものをする禮子さん)