横綱・稀勢の里が土俵を去った。
負け続けても、これほど声援を受け続けたのは、
彼の真摯な姿勢が人々の心をつかんでいたからだろう。
負けても座布団は舞わなかった。
勝ち負けに関係なく、いつまでも稀勢の里を見ていたいという
気持ちの表れだったかもしれない。
彼は、中学生のとき、卒業文集にこう書いた。
「天才にはなれない。努力で天才に勝つ」
がむしゃらに努力を貫き、ゆえに愛された。
先代の師匠・鳴戸親方(元横綱・隆の里)からは、
「自分を信じろ」と言われ続けた。
ゆえに怪我をしても弱味を見せず、自分の力を信じてやってきた。
昨日の記者会見で、貫いた信念はと問われ
「絶対逃げないこと」と答えた。
横綱としての孤高、屈辱に耐えて逃げずにやってきた。
記者会見で「稽古場がボクを強くしてくれた」とも語った。
稽古場で、一生懸命相撲を取る力士、怪我に強い力士を育てたいと
言明した。
稀にみる勢いのある力士を育ててほしい。