U25ことば磨き塾も教わる場だ。
若い人から、忘れていたことを思い出させてもらえる。
特に、こねくり回さず、「素直」でいることを。
「素直」が、人の心の壁をなくし、心の扉を開けてくれる。
インタビューのワークショップのテーマは、
「苦手・嫌い・ギャップ」といったニュアンスを、
そのことばを出さずに聞いていくことにした。
互いの問答から、キーワードが浮き彫りになる。
互いの心の整理が出来る。
互いの「今」が浮き彫りになる。
就職内定が決まっているHくんは、
「若い頃、相違を感じたことはないか」と彼にとって切実なことを聞いてきた。「僕らの若い頃は、手取り足取り丁寧に教えてもらえなかった。自分で考えるしかなかった」と答えると意外な顔をした。
彼は「爪を隠した鷹になりたい」と言う。才気溢れる彼は、そうしたほうが無難だと思う。
緊張すると「トイレで吐いてしまう」というKくんは、「緊張したときどうしたらいいか」、これまた彼にとって切実なことを聞いてきた。
「ボクも緊張する」というと、意外な顔をした。
「ただし、していい緊張としなくていい緊張がある」というと怪訝な顔をした。緊張のとらえ方にギャップがあったようだ。
吐くという行為で、自己暗示をかけて呪縛しているところがあるから、
これから緊張したと思い込ませないように、トイレにいく慣習を減らそうねと伝えた。
大学卒業後、フリーカメラマンになったTくんは、いまだに自分の居場所を探している。彼は最初の職場をパワハラで辞めている。
「そりの合わない上司との距離の測り方」と、これまた切実な質問。
ボクは「2つの顔を使い分けた。でもそれが嫌だった」と正直に答えた。
几帳面な幹事役を務めてくれているKさんは、繊細な対話になった。
ほどよい雨は緊張を解くいてくれる。もう一人の自分と向き合いたいとき、寺に行く。雨に濡れた庭は、静寂を増し、心を落ち着かせてくれる。
就職したばかりのHさん。「仕事は順調?」と聞いたら、「辞めました」。
人間関係がうまくいかず、 とびきりの笑顔が自慢のHさんも、しばらく笑うことも出来なかったそうだ。ようやく落ち着いたので、久しぶりに顔を見せてくれたのだ。
「自分を助けるのは自分しかいないよ。笑っている場合でないときほど笑うといいよ」とエールを送った。