第5期宝塚ことば磨き塾スタート~明るいうつ病 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

宝塚ことば磨き塾の新学期がスタートした。

人生の先達が多く、いつも教わりに行くのが楽しい場所だ。

 

会場に入ると、カラフルなブラウスを着た女性が、受付をしていた。

一番乗りで会場に現れ、自ら率先して受付を買って出たそうだ。

そして、ニコニコしながら、ボクに言う。

「わたし、うつ病なんです。もう45年患っています。ご迷惑おかけするかもしれませんが、よろしくお願いします」

こんな明るいうつ病患者に、初めてお目にかかった。

きょうは、「宝」をテーマに他己紹介をしてもらったが、

その人、中井朋子さんの宝物は、「病院の先生」だという。

25年前から恋い焦がれている。好きだとは言い難く、

デートしてくださいと申し出たら、やんわり断られたそうだ。

ボクが遠慮なく、「その先生に会いたいから、うつ病治したくないんだ」

というと、ご本人も含めて、みんなが笑った。どうやら中井さんがムードメーカーになりそうだ。

ボクは重ねて言った。「次回から、うつということばを禁句にしましょう」

「8回通ううちに、うつはよくなりますよ」とも言った。

中井さんと、固い握手をした。

 

一語一語絞り出すように話す人がいた。

パーキンソン病を患い、筋力が衰え、発音もままならない。

だが懸命に話す姿に胸を打たれる。

好きな路面電車のエッセイを書いている。

筋力が弱まるのを抑えるため、水泳もしている。

発声のために役立てばと朗読会にも参加ししている。

ピンクの眼鏡ケースが目を引いたので、聞いてみると、

「亡くなった妻の遺品」だそうだ。

病に負けず、丁寧な生き方をしておられる。

 

みなさんの「宝」を聞いていて、すごいなぁと思うことばかり。

自己充実して人生を謳歌している人ばかり。

ボクにとっては、ここで聞く話が、何よりの「宝」だ。

 

(明るいうつ病の中井朋子さん 写真左側)

(パーキンソン病と向き合う提勲さん 写真左側)

(公民館の上田寿子さんも飛び入り参加)

(最年少参加の畠裕子さん ビーチサンダルが似合う

 フラダンスの先生)

(2回目の参加の萩尾さん〈左手〉が、

ビーチサンダルに注目してうまく他己紹介)

(少し早めの誕生日を祝っていただく)