宝塚ことば磨き塾の新学期がスタートした。
人生の先達が多く、いつも教わりに行くのが楽しい場所だ。
会場に入ると、カラフルなブラウスを着た女性が、受付をしていた。
一番乗りで会場に現れ、自ら率先して受付を買って出たそうだ。
そして、ニコニコしながら、ボクに言う。
「わたし、うつ病なんです。もう45年患っています。ご迷惑おかけするかもしれませんが、よろしくお願いします」
こんな明るいうつ病患者に、初めてお目にかかった。
きょうは、「宝」をテーマに他己紹介をしてもらったが、
その人、中井朋子さんの宝物は、「病院の先生」だという。
25年前から恋い焦がれている。好きだとは言い難く、
デートしてくださいと申し出たら、やんわり断られたそうだ。
ボクが遠慮なく、「その先生に会いたいから、うつ病治したくないんだ」
というと、ご本人も含めて、みんなが笑った。どうやら中井さんがムードメーカーになりそうだ。
ボクは重ねて言った。「次回から、うつということばを禁句にしましょう」
「8回通ううちに、うつはよくなりますよ」とも言った。
中井さんと、固い握手をした。
一語一語絞り出すように話す人がいた。
パーキンソン病を患い、筋力が衰え、発音もままならない。
だが懸命に話す姿に胸を打たれる。
好きな路面電車のエッセイを書いている。
筋力が弱まるのを抑えるため、水泳もしている。
発声のために役立てばと朗読会にも参加ししている。
ピンクの眼鏡ケースが目を引いたので、聞いてみると、
「亡くなった妻の遺品」だそうだ。
病に負けず、丁寧な生き方をしておられる。
みなさんの「宝」を聞いていて、すごいなぁと思うことばかり。
自己充実して人生を謳歌している人ばかり。
ボクにとっては、ここで聞く話が、何よりの「宝」だ。
(明るいうつ病の中井朋子さん 写真左側)
(パーキンソン病と向き合う提勲さん 写真左側)
(公民館の上田寿子さんも飛び入り参加)
(最年少参加の畠裕子さん ビーチサンダルが似合う
フラダンスの先生)
(2回目の参加の萩尾さん〈左手〉が、
ビーチサンダルに注目してうまく他己紹介)
(少し早めの誕生日を祝っていただく)