こういう出会いもあるものだ。
待ち合わせの喫茶店。その人はニコニコしながら現れた。
そして、切り出した。
「私たち、初対面でないんですよ」
「・・・・・」
ボクは、まったく覚えていなかった。
かつて、丹波市では「ありがとうコンクール」と称し、
全国からありがとうにまつわるエピソードを募集していたことがあった。
その審査委員長をムラカミがつとめ、彼女は、審査員の一人だった。
その場で2回はあっている(らしい)。
その人、八尾由江(やお ゆうこ)さんは、また屈託のない笑顔で言う。
「その時は、気配を消していたんです」
そうだとしても、ボクの記憶から欠落しているのは、なぜだ。
しかもだ。丹波市の内科医・和久晋三さんから、
2年前に番組ゲストとして推薦まで受けていたのだ。
さすがにそのことは覚えている。
だが、なんとなく連絡しそびれていた。
「忘れられていると思ってました」と言われたが、失礼な話だ。
そして、ようやく重い腰をあげたのだが、すべてものごとにはタイミングがあるようだ。このタイミングで会うように出来ていたのだ(と思うようにしよう)。
初対面ではないのだが、初対面。初対面とは思えない初対面。
ぼくの記憶装置が衰えを見せ始めているとはいえ、こうまで印象が違うのはどうしてだろうか・・・。同じ人であって同じ人でない。彼女の中に、何かの化学反応が起きたのではないか。
それを探るインタビューは面白くなるに違いないと思えた。
八尾さんは、いま特別支援教育コンサルタントという肩書きで、
いわゆる発達障害といわれる子や、その親のケアをしている。
八尾さんは、「発達障害」とはいわない。「発達特性」という。
ひとりひとりの特性があるのだ。納得。
八尾さん自身も、アスペルガーのようにじっとしていない。
回遊魚のように止まることをしらない。
瞬間瞬間全力投球してきた。完全燃焼してきた。
それは、不幸な出来事で52歳で突然亡くなった母のことが念頭にある。いつ死んでもいいように後悔ない人生を送ろうと思っている。
だが、この「底抜けの明るさ」は、なんだろう。それを知りたい。
彼女に言わせれば、「変さ値が高いから」。
いいなぁ。「変さ値」。ボクも相当高い。
人のやらないことをやりたがる。
根拠のない動機、根拠のない自信がある。
いつも本気。いつも全力投球。
人からみれば「変」だと思われることが嬉しい。
ボクと似ている。いや、ボクが似ている。
さあて、本番を迎えたが、「変」が多すぎて、なかなか進まない。
ようし、こうなれば時間をかけて取り組もう。
八尾さん出演の『たんば女性STORY』は、
FM805たんばで、7月17日、24日20:00~放送予定。
アンコールは、その週の土日10:00~。
サイマルラジオ、アプリ「FM聴」なら、世界中で聴ける。
八尾さんへの果てしないインタビューは、まだ続く。
(初対面時の八尾由江さんと)
撮影・北信也さん↑↓
(収録時の八尾由江さんと)