バラを堪能したあとは、
「おしぼりうどん食べにいきましょう」と誘われた。
「おしぼり???」のままついていった。
畑の中の一軒家。山羊が店番していた。のどか。
俳人、松尾芭蕉が更科紀行のなかで「身にしみて 大根辛し 秋の風」と詠んだとされているように、古くから坂城町の一部も地域で栽培され、親しまれてきた地大根(辛味大根)を「ねずみ大根」と呼ぶ。
首の部分よりも下の方が膨れていて、根の先端はねずみの尻尾のようにも見えることからその名がある。
坂城町は年間降水量が800mm程度と少ないため、野菜栽培に適しているとは言い難い。ただ、ねずみ大根は「鍬で耕せば、火花が出るような小石混じりの畑」が栽培に適している。他の土地ではねずみ大根本来の形や風味は出せない。
11月になるとねずみ大根自身が寒さから身を守るため、大根内部に澱粉質をさらに蓄えるため、辛さ以外にも奥行きのある味になる。
これが坂城町で俗にいわれる「あまもっくら」した味で、辛さの後からほのかに感じる甘さが特徴なのだ。この味を活かした食べ方は何と言っても「おしぼりうどん」に尽きるらしい。
ねずみ大根の絞り汁に味噌のほか、ネギ、かつおぶしなどの薬味を好みで入れ、うどんを汁に浸けて食べる。これが名物「おしぼりうどん」。
絞り汁だけ、ひと舐めしてみたら辛いのなんの。そこで教わった通り、味噌を混ぜると、けっこうイケル感じ。喉越しもよくスルスル入った。珍しいものをいただき、またまた講演前にエネルギー充電。
(店番のメェーくん)
(これがねずみ大根)
(蕎麦ではない。無漂白うどん)
(左上がめずみ大根のしぼり汁 味噌で辛み調整)
(十割蕎麦もあとから)
(水田は田植えが終わったばかり)
(ゆるキャラのねずこんと)