たんば女性STORYに、
ついにオペラ歌手の足立さつきさんが来てくれた。
丹波人で、その名を知らぬ人はいない。
早めにスタジオに向かったのだが、もうすでにお待ちだった。
殺風景なスタジオでも華がある。
以前から、接点はあった。
錦織健さんとの公開収録にゲストとしてお呼びしたこともあった。
丹波市内の懇親会などで、顔を合わせることが何度かあった。
だが、じっくりお話をするのは、このたびが初めて。
先日、東京で打ち合わせしたときも、話が弾み、楽しかった。
共感共鳴することが多々あった。
話がワンサカあるので、スペシャルマンスリーとして、
4回にわたってインタビューした。
母が音楽教師、父もアコーディオンやピアノを弾いた。
家庭の中に、音楽が満ち溢れていた。
おのずと音楽の道に進んだ。
武蔵野音楽大学大学院修了後、
1987年、『椿姫』のヴィオレッタでデビュー。
以来、国内外の様々な舞台に立ってきた。
團伊玖磨さんに認められ、『夕鶴』のつう役に抜擢された。
去年30周年リサイタルを地元で開いた。
丹波市の歌、丹波で指導する2つの合唱団のこと、
ご両親のこと、さつきさんの心・・・
話は多岐に及んだが、さすがステージ経験豊富なだけあって、
身振り手振り口角泡を飛ばす勢いだった。
いちばん熱を帯びたのは、丹波市の歌の話。
さつきさんは、丹波市の歌制作委員会委員長なのだ。
さつきさんが親しい千住明さんに作曲を依頼し、
温かく親しみやすいメロディーが出来上がった。
そのメロディーに歌詞をつけてもらうべく、いま全国公募中。
ただし、丹波市内の固有名詞は使わないという条件つき。
いまや卒業式の定番になった『旅立ちの日に』は、
もともと埼玉県秩父市の中学校で歌うために作られた曲だった。
丹波市の歌も、
全国的に歌い継がれるものにしたいという思いがある。
6月29日に締め切り、選考して、来年の成人式でお披露目の予定だ。
順風満帆に見えるさつきさんにも、紆余曲折があった。
小学校6年生の時、父を水の事故で亡くしている。
40代半ば、
息をするのもしんどいくらいのトンネルに入った時期もある。
それも3年ほど続いた。
4年前、丹波で一人暮らししていた母が急逝した。
オペラ歌手として、舞台に立つ機会は減ってきている。
だが、今のさつきさんは、いきいきしている。
ふるさとの丹波が呼んでいるからだ。
大阪から各停を乗り継ぎ、黒井駅に降り立つとほっとするという。
丹波の風景は、何ひとつ変わっていない。
自分を育んでくれた土地の空気が癒してくれる。
月に1度は、丹波に帰り、合唱指導しながら、
「心を一つにして歌う喜び」を「伝える」ことに生き甲斐を見出している。
飾らぬ率直に語る2時間は、聴きごたえがあるはずだ。
(足立さつきさん)
足立さん出演の『たんば女性STORY』は、
FM805たんばで、4月3日、10日、17日、24日20:00~放送予定。
アンコールは、その週の土日10:00~。
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