若い人に対する「江戸しぐさ」 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

江戸しぐさの越川禮子さんは、明日、92歳の誕生日を迎える。

その前日に、越川さんと縁のある6人が集った。

ミスターボンドが2人、ボンドガールが4人。

いずれも惜しげもなく自分の人脈を接着する才に長けた人たちだ。

越川さん曰く「面白い大人たち」だ。

この中の最年少は、29歳の小林さやかさん。

学年ビリの成績で、無軌道な生活もしていたが、

1年で偏差値を40あげて慶應大学に入った。

「ビリギャル」として話題になり、映画にも描かれた。

いまは、講演活動に忙しい。

彼女が大学時代に出会ったのが、

「リッツカールトンが大切にするサービスを超える瞬間」という

高野登さんの本だ。以来、高野さんを師と仰いでいる。

 

越川禮子さんは、1926年生まれ。

19歳で結婚し、3人の子を育てた。

そして40歳で起業。

女性スタッフだけで市場調査や商品企画を手掛けた。

60歳のとき、アメリカの老人問題を取材した「グレイパンサー」が評価された。ジャーナリストでもあるのだ。

65歳のとき、江戸しぐさに出会い、以来その普及に努めてきた。

その江戸しぐさの教えの中に、

年を重ねたものが若い人に接するときの心得がある。

「若い人を立てたか」

「若い人に昔のことを伝えたか」

「若い人を笑わせたか」

とても大切なことばかりだ。

面白い大人たちは、みんな心得ていることだが、改めて肝に銘じた。

若い小林さんの活動を称えながら、

小林さんの知らない昔のことを入れ替わり立ち替わり説明し、

小林さんを笑わせた。

それを、あるがまま、気負いなくやってのけたのが、

誰あろう、越川禮子さんだったのだ。

 

(後列左から、遠藤やすこさん、中馬幸子さん、小林さやかさん、飴前晶子さん、

 前列左から、ムラカミ、越川禮子さん、高野登さん)

(92歳と29歳の対話)