今夜は、恵比寿アートカフェフレンズで、スペシャルトークライブ。
テーマは、「アートとエロス」。
ベルギーの王立美術館の公認解説者の森耕治さんと、
この冬、知己を得たとき、どちらからともなく、
「エロス」をテーマにアートを語ろうと盛り上がった。
おっさん二人で「エロス」を語るだけではどうかと思い、
音楽のミューズにも来てもらった。
ピアノとアコーディオンの二刀流をこなす土屋恵さん。
チェロの黒川実咲さん。
ちなみに、ボクの「アートとエロス」の原点といえば、「裸のマハ」だ。
少年の頃、美術館で見て釘付けになった。
大胆なポーズをとるマハ。いやらしさなど、どこにもない。
なのに、ドキドキしたことを、いまだに覚えている。
会場の人に「エロ」と「エロス」の違いを聞いてみた。
エロ・・・世俗的、性欲を満たすだけのもの、下品、下心、通俗的、
猥雑で直接的、意識的、エロスの表層的発露、
エロス・・・高尚、純粋な愛、、神がかったもの、美を求める心、、
したたるようなエッセンス、精神性、芸術的、無意識的
なるほど、なるほど。
絵画の世界でも、エロと捉えられないよう、エロスの追求に余念がなかったようだ。例えば、ボッティチェリの「ビーナスの誕生」でいえば、乳房と局部を隠したり、マントをかけようとする女性が傍らにいたり、批判を避けようとしたことが窺える。
しかし、森さんは、ビーナスは不倫をしており、
そのあげく生まれたのがキューピッドだという驚くべき持論を展開。
ルノワールは、女性遍歴が多く、
ユトリロの父親という説が濃厚だという。
美女にメロメロの軍神マルスには、愛人にうつつを抜かすルイ18世をなぞらえ、国外に亡命させられたダヴィッドが一矢を報いたと推論。
絵画から当時の社会情勢を知ることが出来る。
つま先が重なっている、耳元に息を吹きかけている、腰に手を廻している・・・まるで刑事のように、森さんは細かいところを見ている。
ひとつの絵画の見方として、新しい切り口を開発した森さんは、
ベルギーから日本に頻繁に戻り、全国を講演して回っている。
(音楽のミューズ 左から土屋恵さん、黒川実咲さん)
(左から、森耕治さん、黒川実咲さん、土屋恵さん)
ボッティチェリ「ビーナスの誕生」
ゴヤ「裸のマハ」
ダヴィッド「ビーナスに武装を解かれた軍神マルス」