論語知らずの論語塾21~「勇」の使い道 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

いまさらだが、論語は「素読」の繰り返し。

孔子の残したことばを、

2500年後の私たちが声に出して、身につけようとしている。

人から言われたことは素通りする。

自分の声でなければ身につかない。

 

孔子が伝えようとした徳の一つに「勇」がある。

きょうは、「勇」をテーマに語り合った。

『義を見て為さざるは勇なきなり』

人として守るべき「義」をためらうのは、勇にかけている証拠だ。

孔子の言う「勇」とは「勇気」というより、

正しいことを実行出来る決断力だと、安岡塾長は説明。

ボクは、決断力について、NHK時代の経験を話した。

「決断判断が早いのもいいが、人に委ねない、何でも自分で先行してやってしまう」と後輩から批評されたことがある。

理不尽なことや権力者の横暴に一歩も引かない「勇」も大切だが、

「勇」には、見境いなく暴走する危険性もあると、孔子は指摘している。

『勇にして礼なければ即ち乱す』と。

「義」と「礼」と「勇」のさじかげんが大切なのだ。

「勇み足」にならないよう注意が肝要なのだ。