たんば女性STORY20~丹波布を広めたい | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

和服姿の梅垣真紀さん。

落ち着いてみえるが、ぼくがNHKアナウンサーになった昭和52(1977)年生まれ。

祖母の帯、母の羽織を身につけている。

三代にわたって引き継がれていくのが着物のいいところだ。

梅垣さんは、いま丹波の伝統のひとつ丹波布を広げる活動に懸命だ。

 

丹波布とは、昔ながらの糸作りと草木染め、手機織りと、

すべて手仕事の伝統が忠実に受け継がれている。

手紡ぎの木綿糸を、藍染めと榛(はん)の木の皮や栗の皮などで染めた茶色、

それに小鮒草で染めた黄色をベースに、

ところどころ白い絹の「つまみ糸」が横に織り込まれたもの。

素朴でやわらかい風合いがある。

江戸末期から明治半ばくらいまで盛んに織られていたが、

すっかり廃れてしまっていた。

昭和初期、民芸運動の柳宗悦に「静かな渋い布」として見い出され、昭和29年に蘇り、

国の無形文化財にも指定されている。

すべての工程を一人でこなすことから、なかなか後継者が育たない。

手間も時間もかかるので、そう簡単に手が出しやすい値段ではない。

とはいえ、まずは「丹波布」を知ってもらわねばならない。

そこで、梅垣さんは、

4月23日に丹波人がモデルを務める丹波布ファションショーを企画した。

作家の作品を身に着けたモデルが、織り手と並んで歩く。

作り手と使い手の距離感がないショーになったらいいと考えている。

 

尼崎で生まれ育ち、結婚を機に柏原に住むようになった。

次女の小学校の入学式に着物姿で行きたいと一念発起。

着付けを学び、タンスの肥やしになっていた母や祖母の着物に日の目を見させた。

着物姿で出かける回数を意識的に増やしているうちに、

丹波布に出会い、とりこになってしまったのだ。

いまハマっている星野源さんの『時よ』の歌詞

「動き出せ 針を回せ 次の君につながれ」に背中を押された。

 

梅垣さん出演の『たんば女性STORY』は、

FM805たんばで、3月7日、14日19:00~放送予定。

アンコールは、その週の土日10:00~。

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