和服姿の梅垣真紀さん。
落ち着いてみえるが、ぼくがNHKアナウンサーになった昭和52(1977)年生まれ。
祖母の帯、母の羽織を身につけている。
三代にわたって引き継がれていくのが着物のいいところだ。
梅垣さんは、いま丹波の伝統のひとつ丹波布を広げる活動に懸命だ。
丹波布とは、昔ながらの糸作りと草木染め、手機織りと、
すべて手仕事の伝統が忠実に受け継がれている。
手紡ぎの木綿糸を、藍染めと榛(はん)の木の皮や栗の皮などで染めた茶色、
それに小鮒草で染めた黄色をベースに、
ところどころ白い絹の「つまみ糸」が横に織り込まれたもの。
素朴でやわらかい風合いがある。
江戸末期から明治半ばくらいまで盛んに織られていたが、
すっかり廃れてしまっていた。
昭和初期、民芸運動の柳宗悦に「静かな渋い布」として見い出され、昭和29年に蘇り、
国の無形文化財にも指定されている。
すべての工程を一人でこなすことから、なかなか後継者が育たない。
手間も時間もかかるので、そう簡単に手が出しやすい値段ではない。
とはいえ、まずは「丹波布」を知ってもらわねばならない。
そこで、梅垣さんは、
4月23日に丹波人がモデルを務める丹波布ファションショーを企画した。
作家の作品を身に着けたモデルが、織り手と並んで歩く。
作り手と使い手の距離感がないショーになったらいいと考えている。
尼崎で生まれ育ち、結婚を機に柏原に住むようになった。
次女の小学校の入学式に着物姿で行きたいと一念発起。
着付けを学び、タンスの肥やしになっていた母や祖母の着物に日の目を見させた。
着物姿で出かける回数を意識的に増やしているうちに、
丹波布に出会い、とりこになってしまったのだ。
いまハマっている星野源さんの『時よ』の歌詞
「動き出せ 針を回せ 次の君につながれ」に背中を押された。
梅垣さん出演の『たんば女性STORY』は、
FM805たんばで、3月7日、14日19:00~放送予定。
アンコールは、その週の土日10:00~。
サイマルラジオなら、世界中で聞ける。