うず高く積まれた土の山だらけ。
荒涼とした光景が広がる。
陸前高田の国道45号線沿い。
土砂を積んだダンプカーがひっきりなしに行き交っていた。
最大で12メートルもかさ上げする工事が続いている。
造成地を道路から見上げると、城の石垣のように見える。
2011年3月11日。高田地区は壊滅した。1900棟を超える建物が全壊した。
陸前高田市では、
山を切り崩した高台に住宅地を造成し、低い土地は盛り土して中心市街地を整備する
復興計画を推進している。
住民感情としては、高台に住みたい。
海沿いをかさ上げして商業施設を誘致しても、買い物客が来ない心配もある。
それを危惧して出店をためらう業者も少なくない。
店舗や住宅が点在する、櫛の歯が抜けたような街になる恐れもある。
かさ上げ地の有効利用が疑問視される中、
山を削った残土の処理場所にならざるを得ないという矛盾も抱えている。
ダンプカーのエンジン音だけが響き、人の声が聞こえない場所で、
うず高く積まれた山を見詰めながら、いろいろ考えさせられた。
人口減少が予測されるであろう街に、被災前と同じ復興をと考える計画のひずみを
誰もが感じながらも、復興事業は後戻り出来ない。
誰が何のために、何の意図を持って、これだけの大規模なことが推進されていくのか・・・。
かさ上げが棚上げにならぬよう、むなしい気持ちの中で祈るばかりだ。
震災遺構の「定住促進住宅」。
震災当時、すでに無人で人的被害はなかったが、
建物内は、甚大な被害。津波によって4階まで水没した。
津波が到達した14.5メートルに目印がある。
震災遺構の「道の駅 高田松原タピック45」
東北一の規模を誇る道の駅であった。
津波の直撃を受けたが、外観は大きな損傷は受けなかった。
ただ内部は大きく損傷。