伝統に新風 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

京都高島屋の美術画廊で開催されていた、

漆芸作家の高畑麻珠子さんの個展に立ち寄ってきた。

このブログでも、祇園245の吉岡シェフに紹介したことを取り上げたことがある。

伝統の漆芸に「斬新」な感覚を取り入れた高畑さんの作品は、ボクも気に入っている。

黒光りする漆の器は、なんとなく普段使いに敷居が高い気がするが、

高畑さんの赤や黄や緑と、カラフルな色彩の器は、ダイニングのインテリアにもなるし、

おしゃれな器に何を盛りつけようか、ワクワクするものがある。

 

『それまで』というタイトルの作品が気になった。

 高畑さんは、雲に隠れている月が顔を出すのを待つのが好きだそうだ。

人生も、大切なものはなかなか見えない。

見えるまでの、それまでの時間を楽しみたいのだそうだ。

 

『笑』というタイトルの作品。

ややいびつな形をした黒いお皿の右辺に白くて細かい点が。

涙を表している。

泣いたあとに笑うことが出来るのがほんとうの強さではないかと、高畑さんは言う。

 

作品に込めた想いを聞くことで、作品がより身近になる。

ボクも、朱塗りの椀を、一つ傍らに置くことにした。

 

       「それまで」  

         「笑」

(ピアスも制作している)