1966年9月25日。日本作業療法士協会が誕生した。
きょうで50歳。その節目を祝う式典と祝賀会が開かれた。
のべ4時間の長丁場、その両方の司会を担った。
50年前、作業療法士は、
わずか20名でスタートしたが、いまや50000人を超えるまでになった。
人々の「日常」を取り戻すためのサポートをしてきた方たちが、
全国から一同に会した。地道な努力をしてきた方々に、きょうはスポットがあたる日だ。
作業療法士の礎を築いた方々、制度の整備に尽力した方々、臨床現場で協力した医師、
リハビリの専門家・・・多くの関係者も集った。
協会の歴代会長4人も、みなさん元気。初代の鈴木明子会長は84歳。
過去4人は全員女性。5代目の中村春基会長が初の男性会長。
式典は、来賓の祝辞、感謝状の贈呈など、ともすれば堅苦しくなりがちだ。
司会者としては、それをやわらかい雰囲気にするよう気を配った。
例えば、こうだ。
祝辞を述べる本人が来られず代読が4人続き、5人目にやっと本人が登場したときは、
すかさず「ご本人です」とコメント。会場の笑いを誘う。
そしたら、本人も「本人です」と受けてくれた。
代読する人が「この近辺にいたから」自分が代読することになったとエクスキューズすれば、
すかさず「この近辺にいたからと代読した○○さんです」とコメント。会場も反応してくれた。
挨拶の中で「先日の台風で、対応に追われた」と話した人がいたら、
すかさず「台風対策の作業に追われた○○さん」とコメント。
会場からも同感の笑いが起きた。
こんなふうに、名前と肩書きの紹介だけでは無味乾燥になってしまう進行に、
一味アクセントをつけることで、雰囲気が変わる。
話をよく聞いていて、どこを生かすか、それも短いことばで、当意即妙に。
それが、司会者の腕のみせどころ。
ことば磨き塾で、塾生に「自分をもっと褒めて」と言っているが、
たまには、自分褒めを許してね。
ここまで書いたら、たったいま中村会長から
「ほんとに、ほんとに、ほんとに有難うございました」と、
ほんとにの三段重ねの御礼電話をいただいた。
こんなに喜んでもらえて司会者冥利に尽きる。
(記念式典)
(先日収録したばかりの50年史上映)
(会場のハイアットリージェンシー東京)