アフロ効果は抜群らしい。
アフロにしてから、人生が好転したらしい。
「まさかのモテ期」に入ったらしい。
居酒屋で、見知らぬおじさんがおごってくれる。
ナンパされたことも1度や2度ではない。
同性からも気軽に声を掛けられる。
「世の中は、無限の親切に満ちているのかも」と思った。
50歳、夫なし、子なし、仕事なしだが、希望でいっぱい。
その人は、今年1月まで朝日新聞記者だった稲垣えみ子さんだ。
「月刊清流」の対談をしてきた
稲垣さんは、時の人だ。
彼女の江戸時代的なライフスタイルが注目を集めている。
原発事故、次々、家電を処分した。
冷蔵庫もない。だから必要なものだけを買う。
洗濯機もない。だから風呂で手洗いする。
冷暖房もない。冷え性の寒さ対策には湯たんぽを使う。
暑さも寒さも敵視しない。受け入れるしかない。
暑さの中の微妙な涼しさに気づける楽しさがあるという。
掃除機もない。江戸箒の音が心地よいらしい。
電子レンジもない。蒸し器でご飯温めたほうが美味しい。
風呂もない。銭湯に行けばいいことだ。
電気代は月200円。
食費は1日600円。
江戸時代的な食生活は、ご飯、味噌汁、漬物で十分。
地味な食事をしていると、精神も落ち着くせいか食べ過ぎなくていい。
「眠っていた力が動きだす刺激に満ちた生活」を送っている。
朝日とNHKという看板がなくなった2人が、
看板のありがたみも踏まえながら、看板を語り合った。
稲垣さんは、
「理不尽なことが繰り出される会社は、生き方磨きの学校」だという。
「お金のためだけでなく、人と繋がるために生きたい。
本来、仕事とは人を喜ばせる行為。創造的で心躍る行為。
人を喜ばせるためには真剣になる。だから仕事は面白い」
そう語る稲垣さんに、大いに共感した。
対談は、月刊清流11月号に掲載予定。