釣り糸ひいてますよ~ | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

ことばの池に、質問というエサをつけた釣り糸をたれる。

ことば池には、きらめくことばが泳いでいる。

ことばが、エサに食いついて、

釣り糸が引かれていても気づかれないことが多い。

ことば磨き塾で、塾長がインタビューされるとき、

意識して「エサ」にひっかかることばを用意するようにしている。

そこ、そこ、そこを突っ込んでよ、そこで釣り上げてよと思うが、

スルーされてしまうことが多い。

なぜなんだろう。

やはりキャッチボールになっていないのだろう。

自分の質問だけに意識がいって、相手の回答に意識がいかないのだろう。

共感、共鳴していないのだろう。


きょうの渋谷ことば磨き塾は、塾生同士のインタビュー。

5枚のカードに「テーマ」が書かれている。

そこから選んだテーマに基づいて、インタビューする。

多弁な人と、口数少ない人がペアを組んだ。

多弁な人が、

なんとか引き出しを開けようと、矢継早に質問を繰り出す。

よく、これだけ質問が出ると感心するほど、あの手この手で迫るが、

なかなか重い口は開かない。

じっと待たずに、釣り糸を変えすぎたようだ。

何か所か「共感ポイント」があった。

「そうですよね」「それ、わかります」「ボクもそれ好き」・・・

質問より、愛の手が入るだけで、「ことば」は喜ぶ。

自分のことばより、相手のことばに敏感になることだ。