次に生きる人のことを考える | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

参議院選挙が始まって、喧しい。

「名前の連呼」や「絶叫口調」は、心に響かない。

どうして、穏やかに普通に話せないのだろう。

自分の主義主張ばかりをまくしたて、

相手に伝えようという意識が薄いように思う。


雰囲気に流されることが増えてきたように思う。

一度、追いつめたらトコトンまでやる。相手がノックダウンするまで。

姿の見えない「みんなの声」に左右され、大事なことが決まってしまう。

イギリスの国民投票の結果、想いも寄らぬ「EU離脱」となった。

かつて、イギリスの首相だったチャーチルは、

「築き上げることは、多年にわたる長く骨の折れる仕事である。

 破壊することは、たった1日の思慮のない行為で決まる」と言った。


今朝の「とと姉ちゃん」で、深川の木場を200年守ってきた祖母のことば。

「木材は、いま植えたものじゃない。

 40年前に植えたものが育って、商品になる。

 だから、植えたときは、自分の利益にならない。

 それでも、40年後に生きる人のことを想って植えるんだ。

 次に生きる人のことを考えて暮らしておくれ」


いまのエゴだけで、ものごとを決めてはなるまい。

40年先、100年先、次世代のことを考える責任が、

いまを生きる我々にある。