扉をノックする方法は、いろいろある。
音が聞こえるか聞こえないかくらいに、そっと。
ハッキリ、「トントン」と聞こえるように。
返事が聞こえるまで、繰り返し繰り返し。
ゆっくり間を置いて、「トン・・・トン・・・トン」
あの手この手のノックで、ムラカミ塾長の心の扉が開いていく。
困った顔、考え込む顔、破顔一笑の顔…、
相手の質問に応じて、ムラカミの表情も変化していく。
(写真の表情にご注目!)
名古屋ことば磨き塾。
この日も、塾生がムラカミ塾長へのインタビューに挑んだ。
「ムラカミの好きなこと、熱中していること」がテーマ。
自分で自分の好きなところは?
これまでの勤務地で印象に残る食べ物は?
好きな女性のタイプは?
趣味は?
好きなスポーツは?
好きな音楽は?
自分の世界観が変わったインタビューは?
どんな花見が好き?
即答出来るものもあれば、返答に窮するものもある。
緊張気味のインタビュアーも、ムラカミの表情の変化に、
だんだん興味深々度が高まっていくようだ。
総じて、「相槌」は「愛づち」になっていた。
よき「愛づち」が打てたら、話は展開しやすい。
ただ、ぼくが、「ここ突っ込んで~」という「種」を蒔いても、
なかなか気づいてもらえない。
キーワードを聞き逃してしまうことは、ふだんの会話でもあることだ。
だから、全力で聴かねばならないのだ。
この日、次々トビラを開けられたムラカミは、
なんだか自分の中の風通しがよくなったような気分で、名古屋を後にした。