さりげなく全力で | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

桜吹雪の舞う白金の八芳園。

写真家の安珠さんと対談してきた。

『おはよう日本』でインタビューして以来だから、20年ぶり。

まだモデルから写真家に転身してまもない頃だった。

だが、その時のことを彼女は、よく覚えていてくれた。

インタビューしながら現場のスタッフに気配り目配りしている様子が

印象的だったらしい。

互いに20年の間に変わったこともある。

「ムラカミさんは、色で言えば近寄りがたいブルーから暖かいオレンジ。

 顔がポジティブになった感じ」

「安珠さんも、かたくなさが消え、自由になった感じ」


20年前は、どんな話をしたか、あまり記憶にない。

表面的だったのかもしてない。

だが、今回は、互いの内面に迫りながら、共感しあう、興味深い対談となった。

「人に喜んでもらえることを、互いに種をまくつもりで活動している」

「事実と真実を見極めながら、真実を伝えたい」

「幼い頃、よく病気したことが与えた影響は大きい」

話が符合することばかりだった。


ボクが、NHK時代、3時間半の放送を終えたとき、

いま、懸命に「気」を使い、嬉しいことばの種まきしたとき、

へとへとになっていると話したら、彼女は大きくうなづき、

「それは、よーくわかります。ムラカミさんは、さりげなく全力投球する人だから」

「全力投球していることを、人にわからせないようにする人だから」

わかってもらえて嬉しかった。

きっと、安珠さんも、そういう人なのだろう。


安珠さんは、震災後、

被災地を中心に、10代の中高生たち77人の写真を撮影した。

未来を思い描き、夢を追う彼らは、笑顔を忘れていない。

別々の場所で撮影したが、ポーズは一緒。

両手を広げてもらった。

その写真を横一列に並べたら、手を繋ぎひとつになっているように見える。

広げた両の手は、

夢に向かっているようにも見えるし、希望を掬い取るようにも見える。

安珠さんと、嬉しい再会を果たしたボクも、

しだれ桜の下で、手を繋いで写真を撮った。

お互いに「種まき」をして芽が出て花開く夢を語りながら・・・。



(撮影・鶴崎燃)



(撮影・安珠 ポジティブフェイス)







(本日のオールスターキャスト 安珠カメラ自動シャッターで)