伍芳バレンタインライブ | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

バレンタインデーのきょう、恵比寿トークライブのゲストは、

中国古箏奏者の伍芳(ウーファン)さん。

伍芳さんとは、彼女がデビューした1996年からの知己。

しかし、20年前となんら変わらない美貌を保っている。

「おはよう日本」のゲストで招いたのが最初。

そのあと、高野山でハイビジョン番組に出演してもらった。

大日如来像の前での、僧侶の声明とのコラボは素晴らしかった。

その時、空海の歩んだ路をイメージした『路』という曲を作ってくれた。

生中継の冒頭、突然、カメラケーブルと音声ケーブルの上に、

雷が落ち、放送が出来なくなるという大ハプニングがあった。

いまとなっては笑い話だが、当時は肝を冷やした。

それから、彼女の10周年記念コンサートでは、

東京・京都・大阪の3ケ所でゲスト出演した。

そして、20周年の節目、今度は、彼女がゲスト出演してくれた。


中国古箏は、古箏と言われる如く、

紀元前3世紀の秦の始皇帝の時代から使われている。

弦が二十一あるので、音域が広く、ハープやギターに近い明るい音が出る。

心の波立ちが消え、やすらぎを覚える。


伍芳さんは、上海生まれ。9歳から古箏を習い始めた。

難関の上海音楽学校を首席で卒業した。

日本の商社に勤めていた姉の伍鳴(ウーメイ)さんを頼って来日。

姉は、

「自分がマネイジメントして、妹を国際的な演奏家にする」と言ってくれていた。

1995年1月17日、最愛の姉を、阪神淡路大震災が奪った。

西宮市の家に1人いた姉は、家の下敷きになってしまった。

家は全壊したが、古箏だけは、不思議なことに無傷だった。

まるで、「あなたは演奏を続けるのよ」と言っているような気がした。

以来20年、いつも姉と一緒に演奏している。


観客の感想から・・・

「奏でる音色も話すことばも、一つ一つが丁寧で、心が洗われた」

「華奢な身体なのに、力強い音色だった」

「姉を想う『彩虹橋』は、聴いていて涙が出た」

「素適な心だから音色も素適なんだろう」

「繊細であり、ダイナミックであり、まさに心の琴線に触れる響きだった」

「ひとつひとつの曲に、色や絵が見えた」


姉・伍鳴さんの口癖は「きょうもいいことがありますよ」だった。

伍芳さんの演奏を聴いて

「いいこといっぱい」もらった観客が満足気に家路に着く様子が嬉しかった。










(愛を詠んだ詩も朗読 伍芳さんとコラボ)





(どんな廃品も音楽にしてしまう打楽器奏者の山口ともさんと、

久しぶりの再会 伍芳さんともコラボしたことがあるそうだ)