夢を叶えた義足 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

梅林で有名な熱海から、修善寺に向かった。

きょうは汗ばむ陽気。梅も、かなりほころびかけていた。

行き先は、修善寺にある伊豆ベロドローム。

リオのパラリンピックでメダルの有力候補である

パラサイクリング(障がい者自転車)の藤田征樹選手に会いに行った。


1985年、北海道稚内市生まれの藤田征樹選手は、

2004年、大学生2年生の時に交通事故に遭い両脚の膝から下を切断した。

事故から2年後にトライアスロンで自転車に乗り、

2007年からは、本格的に自転車競技を開始した。

北京パラリンピックで銀1、銅2、合計3つのメダルを獲得した。

さらに、

ロンドンでも銅メダルを獲得し、日本を代表する選手になった。

去年の世界選手権のロードレースでも優勝、
世界チャンピオンのみ着用できる虹色のジャージ
「アルカンシェル」を身にまとい、 
リオでは、金メダルが有望視されている。



藤田さんは、幼いころから、スポーツ万能だった。

スピードスケート、中学からは陸上競技で活躍。

東海大学では、トライアスロンを始めた。

その矢先、自動車事故というアクシデントに遭遇した。

19歳の青年にとっては、筆舌に尽くしがたいショックだった。

絶望の中から希望を見出してくれたのが、 「競技用の義足」の存在だ。

2歳違いの「義肢装具士」の齋藤拓さんと出会い、

彼と二人三脚で、改良に改良を重ね、

ようやく自分が使いこなせる義足が完成した。

確かな手ごたえを感じているようだ。

これで、リオの金色の夢も叶えられそうだ。



藤田さんは、大言壮語は口にしない。

自分が目標としていることに、

受け狙いのことは言わないが、

自分で自分のことを「頑固」というように、遠慮もしていない。



トラックを回る藤田選手の姿に、思わず大きな声で「ふじた~がんばれ!~」と

声援を送った。

ボクは、ほとんどそういうことをしないので、自分でも驚いた。

リオで、真ん中の表彰台で君が代を聴く藤田選手の姿が想像出来る。



このインタビューは、3月16日19:00~

文化放送特別番組『日曜はがんばらないスペシャル』で 放送予定。






               (藤田征樹選手)

    (出走直前の藤田選手)


(伊豆ベロドローム 5年後オリンピック会場となる)