1616年、有田の地に日本で初めて磁器が誕生し、今年で400年を迎える。
有田焼創業400年を記念して、
有田の二大双璧窯、今泉今右衛門家と酒井田柿右衛門家の
合同展覧会が開かれている。
十三代今右衛門と十四代柿右衛門の作品を中心に歴史を振り返りながら
有田の色絵磁器の世界が一同に観られる。
17世紀から19世紀にかけて、
佐賀藩(鍋島藩)直営の窯で製造された高級磁器である
鍋島焼の技法と伝統を継承しているのが今泉今右衛門家。
十三代今右衛門は、
「吹墨」「薄墨」「吹重ね(吹墨と薄墨を重ね合わせた技法)」を
色鍋島に確立させ、伝統に新しい風を吹き込んだ。
当代の十四代今右衛門も重要無形文化財保持者に認定され
オリジナルの技法「雪花墨はじき」を確立した。
絵皿に宇宙が広がる。
1640年代、初代柿右衛門は赤絵付に成功し、
乳白色の地肌に赤色系の上絵を焼き付けるという
柿右衛門様式を確立させた。
その作品はヨーロッパなどに輸出され、
マイセンが参考にしたことでも知られている。
現在は十五代が「柿右衛門の赤」を引き継いでいる。
400年、技法が受け継がれ、伝統が守られていることがすごい。
今右衛門、柿右衛門という大名跡を受け継いだ人それぞれに、
「守破離」を繰り返してきたのだろう。
一つ一つ、作り手の「想い」を感じながら、丁寧に観て回った。
この展覧会は、11日まで、日本橋三越本店で開かれている。