るみばあちゃんのうどん | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。



高松で出会ったスーパー老人とは、るみばあちゃん。

タクシーの運転手さんに、とっておきのうどん屋さんに案内してほしいと

頼んで連れて行ってもらったのだ。

池上瑠美子さん(83)。地元では、アイドルばあちゃんとして有名。

写真一緒に撮りたいと頼むと「ほっぺたくっつけて撮ろうよ」と、この写真。

愛嬌たっぷりなのだ。


(肉釜たまうどん だし醤油かけて温泉タマゴ入れて食べる)



(かけうどんに油揚げトッピング 汁も完食)





口の中にツルツルと入る時の爽快感と、噛んだ時に感じるしこしこ感。

感動の食感。

緑あひるという品種の小麦を使っているのが美味しさの秘密なようだ。

出汁も旨みが強く、スープのように、うどんを食べきった後でも飲み干せた。

うどんを食べてると、「おいしいじゃろ」と、

るみばあちゃんが、あちこちの客に声をかけている。

帰りがけに、売り子のばあちゃんにほだされて、

土産用の「うどん」も買った。


池上製麺所は1957年12月、国鉄を退職した夫の明さんと瑠美子さんが

2人で始めた。

元々はうどんの玉売り専門で、麺の打ち方を一から習い、

預かった小麦粉をうどんにして配達した。うどんの稼ぎで娘2人を育てた。

99年に明さんが亡くなった後も、るみばあちゃんは製麺所を続けた。

玉を売るだけでなく、店先にテーブルと椅子を

置いて食べられるようにしたら、遠方から客が来るようになった。

当時、1玉65円の麺以外は、だししょうゆと薬味、釜たま用の卵があるだけ。

川べりに立つ納屋のようなたたずまいとともに話題を呼び、

讃岐うどんブームの火付け役となった。

そして、2009年には、高松空港近くに、ヒノキ作りの店を構えた。


うどん県というだけあって、

香川県全体で、うどん屋の数は、800とも900ともいわれる。

どこが開店し、どこが閉店したのかわからない状態だが、

るみばあちゃんの店には、みんなの注目が集まっている。