おいしいのなんの。
ロールキャベツには、ひときわの思い入れがあるのである。
行きつけの中目黒の「安穏戊」に先の予約電話をした。
facebookに紹介されていたロールキャベツが美味しそうだったので、
食べたいけど、予約の頃まで大丈夫?と聞くと、
「今週中だと美味しく食べられるんだけどな。特別にロールキャベツ定食にするから来ませんか」と、オーナーの坂上ちあきちゃんが、カラカラ笑いながら言う。
その笑い声に誘われて、意を決して行くことにした。
岩手の短角牛を使ったミンチを、ちりめんきゃべつが優しく包み込んでいる。
そして、毎日ひかれる出汁が、美味しさを引き出す。
「うまい!」しかことばが出てこない。
思い切って行ってよかった!
こんなふうに、ほんとうに定食の形で出してくれた。
キンメダイの煮つけも、うまいのなんの。
セリとあげの炊いたん。
とうふのすまし。
口中福が広がる。
ロールキャベツには、ひときわの思い入れがあると書いたが、
これ、すなわち「おふくろの味」の一つなのである。
ボクが幼いころ、母がよく作ってくれた。
それも和風のロールキャベツ。
母の味を重ね合わせながら、いただいた。
勝さんの料理には、懐かしさがある。