近江八幡駅から先はまた田んぼの中を淡々と走る.
こんな自販機がありましたよ.

「お値打ち価格にて販売中!」と謳っているくせに,全然お値打ち価格ではなかった.
もう18時前なのに,まだ近江八幡市.米原にはいつ着ける!?不安で不安でしょうがない.とりあえず南彦根までは頑張ろうと小さなゴールを見つけてトボトボ走った.
安土駅


ほぅ,なかなか立派な造りだ.
どんどん暗くなっていく.
東近江市へ突入.ということはそろそろ能登川駅か?

面白そうな神社があったので撮影.

オイラが映画監督なら,こういう場所でロケしたい.
能登川駅

分かりにくいですが,「JR能登川駅」の下に「東近江市」と表記があります.
琵琶湖線の他の駅は,駅名だけの表記で,わざわざそれがどこの市町村かまでは表記していない.能登川駅が東近江市で唯一のJRの駅だからか?
・・・って別にそんな追究することでもないけれど(笑)
愛知川を渡る.

この道は初めて通ったが,能登川辺りは,数年前にUCC上島珈琲滋賀工場の工場見学で訪れたことがある.その時は近江八幡から近江鉄道に乗ったのだった.
稲枝駅

電車から降りてきた人たちが,家族の迎えに来た車で帰っていく.オイラは米原までヒトリで走らなければならない.ひたすら孤独との戦い.
家族に会いたい,友達に会いたい,早く米原に着きたい.
駅前は灯りがあるが,他は真っ暗.お店もない,自販機もない,街灯もない.
わずかな交通信号機の灯り,たまに抜いていく車のヘッドライトの灯りを頼りに進む.
しかし,暗すぎて前が見えない.
ついに溝にはまる.右足が落ちた瞬間に左足で踏ん張ったので,完全には落ちずに済んだ.感触で右足が泥沼にはまったことがすぐに分かった.へばりついた泥で右足だけ重い.もう心が折れそうだ.
河瀬駅

電車の本数が少ない駅は,だいたい,お手洗いが改札の外にあるからな.
おそらくこの河瀬駅のお手洗いも,改札の外にあるだろう・・・って・・・頼むから改札外にあってくれ!
オイラ,ここで泥だらけの足を洗いたい.

足と靴を洗って,少し元気になった.
この頃ようやく,ゴールの米原が何となくイメージできるようになった.絶対できる.今までゴールできなかった鉄ランはない.
が!!
ここでガーミンが充電切れ.充電の残量が少なくなれば警告音でも鳴るのかと思っていたが,何の前触れもなくあっさりと電源が落ちた.
今まで走ってきた74キロ分が一気に崩れ去った気分になった.74キロ分のデータは残るのか?なかったことになるのか?今すぐにでも確認したい衝動に駆られる.もちろん,充電が最後までもたないことは想定済み,だが,いざ充電切れになると,何か集中していたものが切れたような気分になった.
南彦根駅

あともう少しだよ・・・.
スマホの充電も切れそうだ.
彦根駅

とりあえずここまで来たら何とでもなる.ここまで来れたのだから米原まで行こう.
不気味なくらい真っ暗な彦根城周辺.あと1駅.彦根→米原の道は,東海道本線の旧線調査で1度訪れたことがある.オイラが知り尽くした道.少しだけ恐怖心がなくなった.
時刻は22時を回っている.
オイラの横を高速で通り過ぎる新幹線.在来線も何本か通り過ぎて行った.

あぁ・・・みんな速すぎるよ・・・.
暗闇の中に,東横インの青い光が見える.
あぁ,あそこが米原駅前だ・・・.
もう肉眼で確認できる距離に米原駅がある.本当にあと少しだ.
あとちょっと.もうちょっとで終わる.
ガーミンが充電満タンからゼロになるまで走った.走り始めてから座ったのは,草津と近江八幡だけだ.食べたのは小さいパン2つだけ,ジュースを買ったのは篠原駅だけ.
やっと終わるよ・・・.
米原駅

着いた.
新幹線ホームに新幹線から降りてきた人が見える.在来線ホームにもわずかながら人がいる.久しぶりに人を見た気がした.
やっと恐怖心から解放された.
“琵琶湖線を極める鉄ラン”は無事に終わった.
★オマケ★
途中で充電切れになったガーミン,帰宅後にデータを確認すると,充電切れになる前のデータ(74キロ分)はしっかりと保存されていた.