美味!フレンチとお茶漬け | アイビーの独り言

アイビーの独り言

加藤りつこのブログ

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一度の食事で二度美味しい食卓。
前回このブログで紹介させていただいた、タケとマサ異色の2人のジョイントコンサートが、1月8日西宮市のプレラホールで開催された。つながりようのない二人のキーワードは『出会い・広島』。
昼と夜の2回公演で、それぞれ1部と2部に別れて演奏。
1部はタケのピアノ演奏でクラシック音楽。
2部はガラリと変わって、ポップス調のマサの歌とトーク。
クラシックのファンの方々には、ポップスのコンサートは縁遠いもの。
ポップスファンの方々にはクラシックコンサートは敷居が高い。
そんな状況をひとつのステージでお楽しみいただけるよう企画していただいた、初の試みのコンサートだった。
『マサくんの人生劇場にはかなわんなぁ・・』と呟いたタケ。


アイビーの独り言
      タケのマジック・レフトハンド


とんでもない!
タケの左手だけで奏でる音楽には感動の旋律が溢れていた。中でも、自分のアレンジで演奏したシューベルトの『魔王』は圧巻だった。
技能も叙情もバランス良く心に響く音として会場に染み渡った。
スクリャービンの前奏曲も夜想曲も胸にジーンと迫るものを感じた。曲の解説を語りながら演奏するので、スクリャービンが右手を失い、左手の曲を作ったという背景も併せて聴ける。ピアノを弾く繊細な動きを右手に取り戻せなかったタケが、左手だけでも弾き続けるのだ!と、決意し血の滲むような努力をして来た過程を想うと胸が熱くなった。最後まで素晴らしい演奏だった。

アイビーの独り言
佐渡裕氏と打ち合わせのマサ(’08年西宮市)


2部はマサの登場。
ヤドカリのように、人様にお世話になりながら旅を続けさせていただいている。定着する場を持たない浮き草のような生活の中で、人の温もりや愛を深く感じ、真の感謝をいただいていると言う。
マサは心が深い。心が熱い。とにかく何事も深く解ろうとする。
『面倒くせー!』と口では悪ぶっていながら内心は違う。
マサの音楽にそれが表れている。
マサの歌声にもそれは表れている。
だからマサが歌い始めると会場のあちこちから、すすり泣く声が聞こえてくる。そんな状況で、マサはジェームスを起用した。
ジェームスはマサに似ているが?別人??・・・彼は時に言葉が暴走することがあるので、私はジェームスが出ると少し緊張するのだ。
突然ジェームスが言った。『1部でタケちゃん左手でピアノ弾いてカッコイイんだよな!僕だって負けてられないから練習して来たんだ!』
私は驚いた。そんな挑戦的な態度をステージでとるなんて・・・
『〇〇作曲。曲は△△聴いてください』
いきなりワンフレーズ左手で弾き始めた。
『あぁ~ジェームスったら・・』次の瞬間、会場全体笑いの渦。
『ピアノ売ってチョ~ダイもっとも~っとタケモット♪♪♪♪♪・・・やっぱり僕には弾けませ~ん・・・』
ちゃんと1部と2部をつなぐオチがあった。
私はマサのプロデュース能力も再認識できた。
笑いあり涙ありのステージは難しいが、マサは難なくこなしてしまう。
奥が深い青年音楽家に認められたタカの手紙を、今再び感慨深く読み返してみる。


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 天使の階段     石内の四季より


素晴らしい二人の音楽家とちょうど1年という時間を超えて出会えた私は、その後の歳月を大変豊かな時間と共に生きることを与えていただいた。
私は、同じステージに立たせていただき、彼らとの出会いを語りながら、哀しみ深い人生ではあるが、それを誇りとして生かされる日々を感慨深く思った時間でもあった。


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     さくらさんのハローくん


お正月の疲れが出る頃、貴重な時間を割いて聴きに来てくださった多くの皆さま方、ありがとうございました。
そして、企画してくださったGUCCIさん!途中体調を崩され心配しましたが大丈夫?
当日はPippiさん一人で奔走してくださいました。
本当にありがとうございました。