人と人の間にあるもの | アイビーの独り言

アイビーの独り言

加藤りつこのブログ

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神戸大学震災慰霊碑

友よ 神戸大学を そして世界を見つづけてほしい

1995年1月17日午前5時46分に起きた兵庫県南部地震により 教職員2名 学生39名の前途有為な若く尊いいのちが失われた。あまりにも悲しい出来事であった。私たちは 諸君一人ひとりの学問への情熱と輝かしい青春の限りない想いを永久に留めるために この碑を建立する。
            1996年3月15日
               神戸大学
          (慰霊碑に刻まれた碑文)


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    神戸大学震災慰霊碑横のクスノキ


タカと一回り以上も違う後輩たちが企画してくださったコンサートが、2010年1月13日、神戸大学『出光佐三記念六甲台講堂』で開催された。
当日、11時までには大学へ入りたかったので、私は広島駅へ8:30に着くようタクシーで出かけた。
その日の広島は雪が積もり寒い朝だった。
広島駅に着くや否や携帯が鳴った。感激だった!!
HテレビのJ・Oディレクターと番組のキャスターを努めておられるN・Iアナが、個人的にわざわざ雪の中、見送りに来てくださっていたのだ!!
感動と感謝が温かさに変わり胸が熱くなった。


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      自宅前に積もった雪


この度のコンサートで、私が神戸大学の講堂へ入るのは2度目になる。
初めて入ったのは、1995年3月。
まだまだ街は壊滅状態のままの頃だった。教職員2名と学生39名の合同慰霊祭がその講堂でとり行われたのだ。
あれから15年目に、私は2度目の入場をすることになった。
41名の遺影が掲げられていたステージを客席から見つめ、痛む胸を押さえながら、小さく見える我が子の写真を探したあの日。
そんな揺れる想いを抱いて広島を発つ私の胸は、誰にも言えない、誰にも解らない哀しみが渦巻いていた。
新幹線は雪の為、10分遅れていた。Hテレビの方々は一週間分の必需品を詰め込んだ私の大きな荷物をホームまで運んでくださったり、車両の遅れ情報を聞くために動き回ってくださった。取材抜きでお見送りくださったお二人に救われた私は、心の中で両手を合わせた。
『朝早かったから朝食とられていないでしょう?車中で軽くつまんでください。』
息子タカより1歳年上のディレクターの温かい心に触れ、涙が溢れて止まらなかった。温かい涙が・・・


先日、ブログ『石内の四季』の中で書かれていたウィークエンドパスワードを読んで私は深く頷いた。
『感動とは人間の中にではなく、人と人の間にあるものだ。』


あの日の外気も、私の心も寒く凍てつきそうだったが、お二人と私の間で奮え立った空気が、それを緩ませてくれた。

こうして、温もりをいっぱいいただいた私は、神戸大学でのマサとのコンサートに向けて元気に広島を発つことができたのだ。