神社へご参拝に行けば、
必ず最初に目にするのが「鳥居」ですね。
鳥居にもさまざまな種類があって、
最もメジャーなのが、鮮やかな朱色に装飾され、笠木(鳥居の最上に架かる横木)の真ん中に反りのある明神鳥居(みょうじんとりい)ではないでしょうか?
また、この明神鳥居と言葉が似ていて、間違いやすいのが、
神明鳥居(しんみょうとりい)です。
この鳥居は、伊勢の神宮の鳥居に代表されるように、
垂直に立つ二本の円柱に円柱状の笠木を乗せ、さらにその下に貫(ぬき)と呼ばれる円柱を入れる形になっていて、
鳥居の原初形と云われています。
非常に素朴で、天照大御神など皇孫系の神々を祭る神社に多く見られ、古墳などの入り口にも良く見られます。
このように、鳥居の形体は、
明神系と神明系の二つに大きく分けられますが、それがさらに多くの種類に別れ、その数は約30種類にのぼるそうです。
この鳥居の語源については、諸説あり、
イギリスのストーンヘッジの「トリリトン(三本の石柱をドルメン状に組み合わせたもの)」に由来する??
なんて珍説もありますが、一般的には、
天照大御神が天之岩戸にお隠れになった際に、止まり木に乗った鶏が声高に鳴いて、岩戸からの御退出を促した神話から
「鶏の止まり木」につなげて、「鳥居」になった・・とする説が有力視されているようです。
私は、日本神道の成立として、
古代中国の「道教」とインドネシア、ポリネシア系の南洋文化の影響を強く受けて、
もともと日本に伝来していた山岳信仰、アニミズム(多神教)が融合して成立したものと考えています。
(今後、出版予定の著書にも詳しく紹介しますので、よろしければ、ご一読ください)
この視点で、鳥居を考えてみると、
大昔のインドネシアの原住民族の風習にヒントが見られます。
その古い原住民の村の入り口や聖域の出入り口にあたる門は、
丸木を二本立てて、その上に二本の横木を置いた素朴な造りになっていて、鳥居そっくりです。
おそらく、古代日本(弥生~古墳時代)の村の入り口の門も似たような作りだったと思います。
さらに、面白いことに、
その門の最上段の横木には、鳥の模型を置いていたようで、
鳥は、聖域やあの世とこの世の境を守り、往来する神獣と考えられていたとのことです。
アカ族の村の入り口の門
(良く見ると鳥の模型が笠木にたくさん並んでいます)
古代の日本でも、神社という建物が創建され始めた頃には、
神社の聖域の境に鳥の模型を置いた門が設置されただろうと思われます。
のちに鳥の模型は除外され、「鳥の居る境界門」=「鳥居」として、言葉だけが残ったのでしょう。
さて、スピリチュアル的に鳥居を見ると、
以前のブログ記事で紹介しましたが、この鳥居には、憑き物を落とす際の効果的な使用法がありますし、
確かに鳥居をくぐると、その場所を境に霊域が変わるのを感じるものです。
また、神社周辺を守護する、「神獣霊」の類も鳥居のあたりに
良くたむろしています。(神獣霊は、自然霊、精霊が変化したもので、形も哺乳類系から蛇やサンショウウオのような爬虫類系と姿かたちも様々で、神の使いとして神社に配置されています。
中には、生前に賢かったキツネや鹿、カラス、ヘビなどの動物霊が神霊に召されて、「神の使い」として仕えているものもあります)
なので、鳥居をくぐる際は、敬虔な気持で臨みましょう!
鳥居の由来を考えてみるだけでも、
日本のみならず、海外へ視野を広げたグローバルな思考も必要になってくるので、面白いものです。