今日「いのちの食べ方
」という映画を観ました。
大規模農業、大規模畜産業の現場を撮影したものです。
私がまず驚いたのはこの映画には、
セリフも、ナレーションも、解説のテロップも、
音楽も何にも無いという事。
ただ、生産の現場にグイグイと入り込んでいます。
監督はこの生産の現場を良いとも悪いとも、
自分の意見は一切入れていません。
それなのにこれほど壮絶で、人の感情に訴えかける映画
はあったでしょうか・・・。
これ程身近なのに、これほど知らない世界だったとは・・・。
見たことないようなビックリマシーンが沢山出てきます。
エー!!そうやってたんだぁー。
話には聞いてたああゆう事って、こういう事だったのねー!!
中には、見てもそれが何をしている光景なのか分からない
ものもあります。それ程、生産と消費の現場が分断されて
おり、顔が見えない関係になっているのでしょう。
写真では無く、動く映像というところがヌォー!!
百聞は一見にしかずでした。
■家畜
特に動物について、「今まですみませんでした。」
という思いでいっぱいになりました。
家畜が悶え叫びながら、魂が取られる瞬間を初めて見ました。
彼らは自分が殺される気配を察知します。
怖がって逃げようとします。しかし容赦なく殺されます。
先ほどまで命があったものが、モノになります。
腹が裂かれ、臓器が飛び出し、血が噴出し、皮が剥がされ・・・・。
もう死んでいるのに、腹が裂かれる時の衝撃による体の動きが、
まるで死んでも家畜の霊が最後のひとあがきをしているかのように見えました。
生産者を批判する事はできません。
何故なら、それを求める消費者がいるからです。
肉を食べるとはこういうことなのだと思いました。
私の命は、多くの魂の犠牲の上に成り立っているのだと
実感しました。
あまりいい気持ちがしませんでした。
私は今まで、理念ではベジタリアンになりたいと思って
いたのですが、いまいち成りきれずに中途半端でした。
想像力が足りませんでした・・・。
■野菜・穀物
単一作物を大規模に、機械を使って効率的に生産してゆく・・・。
そこには、安く安定的に売れれば良いという意図は感じられる
のですが、栄養価とか、毒性への配慮や、こだわりというもの
が感じられません。
けれども、このようなビジネスが成り立つのも、食べ物なんて
安ければ良いと思っている無頓着な消費者が多いからだと思
います。
コンビニ弁当やチェーン店のメニューも、まず価格ありきです。
スーパーの食品売り場も、消費者はどれだけ配慮して作られた
農産物か?という事よりも価格を見ます。
特売のチラシを見比べて、1円でも安いものを買いに行く人
は多いです。
そのくせ、そういう人がファッションには大枚はたくのを惜しま
なかったりします。
政府だって、食べ物は毎日の出費のものだから、安く抑える
べきという考えに立って政策をとっているように思います。
その価格に見合う農産物を安く大量に調達するためには、
行き着く先はこの映画に出てくるような農業でしょう。
有機農業で、こだわっていつつ安い野菜が欲しい・・・なんて
都合が良すぎます。
そのような事を言う人は意外に多いです。
そう言う人は、この映画を見たらよいと思いました。
安い農産物には、それなりの理由があります。
有機農業で周りに理解されない人は、この映画は良い説明
材料になるのではないかと思いました。
一切「有機農業をすすめましょう」などというデマゴーグは出
てきません。
一切無言で、全く説明がましくないのに、どうしたら良いのか
という事がよく分かります。