みなさんは、島根県松江市にある

黄泉比良坂(よもつひらさか)って

ご存知でしょうか?


古事記で「あの世」と「この世」の

境界として描かれています。


その伝説の地とされるこの場所に

亡くなった大切なあの人に宛てた

手紙を投函できるポスト

が設置されています。


この場所に、両親が行ってくるそうで、

長男にお手紙を書いたら

投函してくるよと

声をかけてもらいました。



長男がお空にいってしまってから、

私が長男にお手紙を書くのは

これで3回目です。


1回目は告別式の前日、

斎場に宿泊したのですが

そこで書きました

(正確には、なかなか書くことが

まとまらず、完成したのは

告別式当日の明け方でした)。


2回目は長男がお空にいってから

もうすぐ1年という時期に、

ちょうど近くのお寺で

お空の子どもたちへのお手紙を

おたきあげしてくださる

というのを知ってのことでした。



今回は、突然母に言われて

私自身はまったく書こうと思っていた

タイミングではなかったこともあり、

深い悲しみや、長男がいないという現実と

向き合うことになるので、

最初はなかなかお手紙を書こう

という気持ちになれませんでした。





しかしだんだんと、両親がその地に

行く日が近づいてきて。

やっぱり、でも

お手紙を書かないという選択肢は

なかったので。


書いてみることにしました。




私が3回のお手紙を書くにあたって

1番最初に書きたいと思ったこと。


それは私が長男に1番思っていること。

長男へごめんねを伝えることです。



そもそも私は長男に対して

なぜごめんねと思っているか。


それは、長男がお空にいってしまったのは

私のせいだと思っているから。

だから1番伝えたいことは

あの日からずっとずっと変わらず、

ごめんね、なんです。


それについては、こちらで詳しく

書いていますので、

良ければお読みくださいね。



寂しいとか悲しいとか苦しいとか

会いたいとかありがとうとか。

たくさん想うことはあるんです。


でも。

いろいろ想ったあとは、必ず

ごめんね、私のせいだったね。

に戻ってきます。


これが私が犯した罪であり、

現実なんですよね。


守ってあげられなくてごめんね。

長男の笑顔、未来、希望。

すべて奪ってしまってごめんね。

ひとりでいかせてしまってごめんね。






最初は今回の3回目も

ごめんねは書かないでおこうと

思っていました。


心優しい長男は、私が自分(長男)への

ごめんねの気持ちによって

私が苦しむことを

望んでいないと思うのです。


だからこそ、私が自分が楽になるために

ごめんねを伝えることは、

長男を苦しめることになってしまう。


この想いが強くて、

ずっとずっと、長男にはごめんねを

伝えられていませんでした。



でも、3回とも

長男にお手紙を書こうと思って

最初に伝えたいと思ったことは、

長男へのごめんねでした。


そして、今回3回目にしてはじめて

長男へごめんねを伝えました。


母から

「長男へのお手紙、話したいことも

 いっぱいあるだろうし、ゆっくり

 書いてあげてね。」

とLINEが来ました。


その言葉で、1番話したいこと、

長男へのごめんねを伝えてみよう。

そんなふうに、背中を押してもらった

気がしています。


今までは、そのときに想っていることの

中から、長男を苦しめるかもしれない

想いについては、お手紙には書かずに

私の中でとどめていました。



今回、はじめて長男にごめんねを

伝えられたのは、

だんだん時間がたつにつれて

私の気持ちに変化が出てきたことが

大きいように思います。



今回は、

今の私の想いを全部素直に伝えよう。

自然に、そう想えたんです。



ずっとずっと伝えられずに、

でも1番伝えたかった長男へのごめんね。

長男への会いたい気持ち。

そしてグリーフケアを広めるために

頑張っていきたいこと。

私の命がある限りは

頑張って生きていこうと思っていること。


こんなふうな、今の私の素直な想い。

書き始めたら、すらすらと想いを

書くことができました。





今回、

あれだけ伝えたくても伝えられなかった

ごめんねを、

なぜ伝えようと思ったのか。

もう少し考えてみました。



それは、長男がそばにいてくれている、

見守っていてくれる。

そう強く思えていることが1番大きいのかな。

そんなふうに感じました。


私がごめんねを1番伝えたかったこと、

でもずっと伝えられなかったこと。


そんなことすべて、

長男はお空から見てくれていて

お見通しなんだと思います。



ごめんねを言っても、僕は大丈夫だよ。



私の想いをお空で、

とても優しい大きなもので

こんなふうに

包んで受け止めてくれている。

そんなふうに思えたからかな。


私がごめんねを言って苦しむ。

そんな長男の姿は、

今はあまり想像できません。


だからきっと、ごめんねを

伝えられたのかもしれません。



自分が都合よく解釈しているだけ。

そう言われたら、

そうなのかもしれません。


確かに長男が私のごめんねを

受け止めてくれている。

こう考えたほうが

私自身は楽になりますもんね。


でも、なんか今回は素直に

こんなふうに想ったんですよね。


少しずつ時間がたつにつれて、

私の長男への感じ方みたいなものが

変化したからかもしれません。





ここで1つ

つけ加えてお伝えしたいことがあります。


それは、長男へのごめんねを

伝えられたからといって、

決して私の長男への罪がなくなるとか

軽くなるとか

そういうことではないということです。


私自身が、長男への罪を背負って

生きていく。

これは今までと何も変わりません。


長男にしてしまったことを思うと、

今もとても苦しくなります。

決して償えない罪を犯してしまった。


私はこの想いも、

これからも大切に持ち続けます。



今回、今の自分の素直な想いを全部

お手紙に書きました。

私自身の想いを文字にすることで、

私もそれをしっかり自分の目で見て

再確認することができました。



私はもう少しこちらで頑張るよ。



長男への決意表明というか。

そんな意味合いもあるような、

そんな気がしています。


長男は今日もお空から、

私のことを優しく、あたたかく

見守ってくれています。


だからこそ、

私は今日も生きることができています。