平山みき『EMISSION』
1.嫌だっ!
(作詞:秋元康 作曲:筒美京平 編曲:鷺巣詩郎)
2.人間失格
(作詞:秋元康 作曲:筒美京平 編曲:鷺巣詩郎)
3.AZABUまで
(作詞:秋元康 作曲:筒美京平 編曲:鷺巣詩郎)
4.ヨコスカ・マドンナ
(作詞:売野雅勇 作曲:筒美京平 編曲:佐久間正英)
5.サイレン(SIREN GIRL)
(作詞:売野雅勇 作曲:筒美京平 編曲:佐久間正英)
6.Don't島初夏
(作詞:Miki Chang 作曲:窪田晴男 編曲:窪田晴男)
7.イチコの片想い
(作詞:Miki Chang 作曲:橋本一子 編曲:窪田晴男)
8.ほっといてちょうだい
(作詞:Metallic Vinyl 作曲:窪田晴男 編曲:窪田晴男)
9.エデンの北
(作詞:マー坊 作曲:窪田晴男 編曲:窪田晴男)
10.Far East Babies
(作詞:佐伯健三 作曲:窪田晴男 編曲:窪田晴男)
11.そんじゃバイ・バイ
(作詞:窪田晴男 作曲:窪田晴男 編曲:窪田晴男)
●平山みき、1984年リリースの6作目オリジナル・アルバム『EMISSION』。
平山みきがセルフプロデュースを敢行した本作。
レコードA面(Tr.1~Tr.5)は信頼のパートナ筒美京平氏に、
レコードB面(Tr.6~Tr.11)は前作『鬼ヶ島』からの続投で窪田晴男氏に制作を依頼。
近田春夫プロデュースだった前作『鬼ヶ島』で、
商業音楽的なテンプレートを度外視した ”型にはめない” という型で平山みきの魅力が開花。
(近田氏自身も、仮想敵は”筒美京平”だったと語られております)
平山みきの歌声は”異形”のものであると捉え、その声にピッタリ合う楽曲を模索したところ、
楽曲自体の形態も異形にすることでその最適解を見出した、とてつもない名作を生みだしていました。
そのことを平山みき自身も感じていたのか、
その時の楽曲制作のコアを担っていた窪田晴男氏に再びオファーしたものと推測。
窪田晴男制作によるB面サイドは、名作であり怪作『鬼ヶ島』の続投的な仕上がりに。
方や筒美京平制作によるA面サイドも、
鷺巣詩郎、佐久間正英による一筋縄ではいかないニューウェイビーな楽曲群。
おおよそポップソングでは聞いたことがないような楽器音やギター音で装飾した、
タダものじゃないイントロでアルバム冒頭「嫌だっ!」が幕を開け、
タダものではないアルバムが始まるのだなとここで理解するわけです。
その経緯の上で、平山みき中期の傑作シングル「サイレン」「ヨコスカ・マドンナ」もここに収録。
本作のジャケットアート同様「狂気」と「正気」の絶妙な均衡ポイント、異形なのにキャッチー、凄く変なのに納得できる、
そんな対義語だらけの世界。
本作以外に本作の様な楽曲を聴いたことがない。