森丘祥子『夢で逢えたら』
1.夢で逢えたら -Remix-
(作詞・作曲:大瀧詠一 編曲:小西康陽)
2.突然の贈りもの
(作詞・作曲:大貫妙子 編曲:小西康陽)
3.恋のブギウギ・トレイン
(作詞:吉田美奈子 作曲:山下達郎 編曲:小西康陽)
4.ムーンライト・サーファー
(作詞・作曲:パンタ 編曲:細海魚)
5.愛がなくちゃね
(作詞:矢野顕子・Peter Barakan 作曲:矢野顕子 編曲:宮田繁男)
6.ユー・メイ・ドリーム
(作詞:柴山俊之・Chris Mosdell 作曲:鮎川誠・細野晴臣 編曲:細海魚)
7.ライディーン
(作詞:小西康陽 作曲:高橋幸宏 編曲:細海魚)
8.ソバカスのある少女
(作詞:松本隆 作曲:鈴木茂 編曲:宮田繁男)
9.ブルー・ヴァレンタイン・デイ
(作詞・作曲:大滝詠一 編曲:小西康陽)
10.トゥインクル・クリスマス
(作詞・作曲:EPO 編曲:宮田繁男)
11.夢で逢えたら
■工藤静香も在籍していた三人組アイドルグループ "セブンティーンクラブ" のリーダー森丘祥子、1991年リリースのソロアルバム『夢で逢えたら』。
ある楽曲権利の管理会社で所有している楽曲のみでカバーアルバムを作るという企画の元に制作されたとのことで、70年代~80年代のシティポップ楽曲が占めております。
それらのアレンジを小西さんをはじめとして、元オリジナルメンバーでありピチカートファイブのサポートメンバーでもある宮田繁男さん、そして本作で初めて見る名前の細海魚さんらが。
この細海さんはエレクトロ/アンビエントに傾倒するキーボーディストとのことで、アレンジャーやプロデューサーとしても活動しているとのこと。
アルバム冒頭で、いきなりシングル「夢で逢えたら」のRemixバージョンの方で始めるというのがなかなか小西さんらしいと私は思うのですが、いかがでしょうか。
Tr.2以降、小西さんアレンジのものは概ね年代的にも「女性上位時代」「sweet pizzicatofive」をまんま想起させる、サンプリング×打ち込み的なアレンジやハウスアレンジを。
宮田繁男さんはオリジナルラブ的なジャジーなアレンジや、田島さん在籍時のピチカート後期の打ち込みっぽいアレンジ。
そして細海魚はダヴィーな打ち込みアレンジ、エレクトロ/バンド的なアレンジ、そして「ライディーン」では本家に寄せた軽テクノアレンジというピチカートとは距離をとった独自の路線を。
本作で一番話題に出さないといけないのは、やっぱり小西さんが歌詞を当て込んだ「ライディーン」に尽きると思います。
近年でも、ピエール・バルーのスキャット名曲「男と女」に日本語歌詞を当て込んだことも記憶に新しいですが、そんな "当て込み歌詞" の巨匠である小西さん。
違和感もなく、ダサさもなく、オシャレにスマートに当て込んでしまう、そんな匠の業を魅せております。
いえ、本家「Rydeen」のテクノポップ的な近未来感のイメージが強いか、アジアンなメロディーラインのイメージが強いかで違和感が左右されるかもしれません。
▼シングル盤
▼『夢で逢えたら』EP盤