池田聡『至上の愛〜a love Supreme〜』
1.Heaven
(作詞:小西康陽/作曲:田島貴男/編曲:小西康陽)
2.79(13years after mix)
(作詞:池田聡/作曲:玉置浩二/編曲:小西康陽・長谷川智樹)
3.joy
(作詞:池田聡/作曲:池田聡/編曲:小西康陽)
4.Blues
(作詞:小西康陽/作曲:小西康陽/編曲:小西康陽)
5.weekend shuffle
(作詞:池田聡・小西康陽/作曲:米川英之/編曲:小西康陽)
6.siesta
(作詞:池田聡/作曲:玉置浩二/編曲:長谷川智樹)
7.fall
(作詞:池田聡/作曲:池田聡/編曲:小西康陽)
8.november
(作詞:小西康陽/作曲:かまやつひろし/編曲:小西康陽)
9.Someday
(作詞:池田聡/作曲:池田聡/編曲:小西康陽)
10.Fade away
(作詞:池田聡/作曲:池田聡/編曲:小西康陽)
●1992年リリース、池田聡8作目のオリジナルアルバム。
そうですね、ジョン・コルトレーンの有名作と同タイトルで、原題もそのまま付いております。
ジャケットでは、サックスではなくてトランペットを手にしているようですが。
アルバムのトータルプロデュースを小西康陽が担当。そしてジャケットは信藤三雄ディレクション。
小西康陽氏、信藤三雄氏が関わっているとなると、本盤は”渋谷系”アルバムであると言っても過言ではないのですが、なんともアーバン。
「モノクローム・ヴィーナス」や「思い出さない夜はないだろう」でお馴染みの池田聡氏。
海外のソフトロック、ボサノバ、ジャズ、ポップス、フレンチ、ネオアコ、ソウルなどが出自となっている”渋谷系”の潮流からすると、アーバンポップ(シティーポップではない気がする)やAORの流れにある池田氏はかなり亜流。
そんなアーバンポップ的な楽曲を、小西康陽的な、ピチカート的なアレンジでくるみ込んで出来上がったものとは!
小西さん史上でも最もブラックミュージックに寄った、ブラック・ソウル・R&B・ジャズ・ブルース!!
アシッドジャズの流れを汲むTr.1、マーヴィンゲイ「Sexual Healing」を踏襲したようなTr.3、ただ気持ちや行動をつらつらと綴った詞も相まってタイトルままのブルージーなTr.4、モータウンなイントロとファンキーなギター&ベースのTr.9などなど。
いや、黒いですね~ 、イイ黒。
という、小西さん史上でも稀にみる音作りのアルバムですが、中でもスロウテンポで壮大なロッカバラードTr.10。
Tr.1~Tr.9においては、小西さんの新機軸が見られつつも、小西さんのアレンジだとわかる要素は多々あるものの、このTr.10に関しては一聴すると小西さん感が皆無。
でもクレジットを見ると小西さんのアレンジ。
楽曲の美メロも相まって「小西さん、こんな素直なアレンジもするんだ、、」の感動が。
バカラック的なピチカートの1stとも違う、89年に須藤薫を小西さんがプロデュースした際のナイアガラサウンドとも違う、凄く異質。
Orignal Love『結晶』と並び称された方が良いと思う一枚です。