忘れたくない。


忘れたくないんだ。


なのに


どうして。


どうして過ぎてしまうんだ。


なぜ
離れてしまうんだ。


今が好きすぎて恐くなる
失いたくなくて精一杯になる


時間を恨んでは

執着するほどに求める


きっと
流れに乗って
また人に出会う


わかってる


だけど
今が好きなんだ。


離れたくない


流れに乗って
出会うことのために
別れたくない


うん。好きなんだ。今。離れたくないんだ。


また日が
当然に昇る


手を繋ぐ相手がいるよ


ごはんを食べよう


おなかがいっぱいになるころには

満たされなかった体に移されるよ


ほら


真っ白なお皿


鳥の声が聞こえるから

テレビを消そう


疲れて帰ってきたなら

今日はぼくが作るから


ごはんを食べよう


何度もやってくる朝に


おはようを言おう


ひとりが寂しいなら


遊びに行くよ


悲しみなんて忘れてしまえるような

朝を迎えに
途切れ途切れ。


そして

繋がらずに幕は降りる

それとも

繋がる


誰かの震える声が
届くはずだ
と叫んだようだった


耳には今もかすれた現実がとどまる


喉を通ることのない悲しみを
どうか救って
と懇願


だけど
痩けていく


心ばかり


枯れていく

涙ばかり


盲目の道を先行く杖になろう


扉を叩く拳になろう


鍵に


そして

涙になり


届けよう


だから

息を吸い込んで


だから

全てを吐き出して


苦しむなら

せめて

安らぎがあることを忘れないように囁くから

聞いていて