何気ない時を愛した日々に火を灯して
追憶を味わう
煙で向こう岸が染みる
現実が指先に迫って 火を消した



そうして嫌いだった大人になって
付け合わせたグラスに
引きずり出した音は
偽りのない歌にこぼれた





懐かしんでも
疲れ果てた時間に逆走はできない

真夜中の静けさに

聞こえなかった孤独が反響した


爪先まで冷え切った感覚が
求めている温もりに

還る夢の帰り道で
次の一歩を渋るぼくは
羨むばかり

疲れたら座り込む

一段下さえ見下す



必要なのは
ただ足を上げて
踏み込む力だけなのに
自分を支えきれない
そんな弱さを許してしまった

負け惜しみを吐いて
弱さを守る


風化してしまう足元にすがりついて

遠くが見えない



見えたはずの景色を映せない足



誰かの背中に
明日があるなら
息を切らす空想に捕らわれないで



忘れかけても
残っている


掘り起こせば
息をする


深い場所でも
また
空に近づける



滑り落ちても
その場所があるなら
一段と強く
駆け上がる
一所懸命怒るのは

一所懸命泣くのは

伝わっているかを確かめたいから



「心配してた」は誰でも言えるのに

いつも心配しててくれる人は

鼓動を分けてくれる人

人生を削りながら
待ってる



透明な美しさは
いつか濁る

それでも
守り続ける意味は
義務ではない



いつか
見える
やわらかい光が照らす透明感





灯りがともったら

閉じた場所の鍵を開けて


灯りがともったら

誰かを愛することの重みに和らぐ


灯りがともったら

愛されることの尊さに
躊躇いを捨てたい