会計事務所応援 ブログ -33ページ目

狭いオフィスにそびえ立つ書棚

みなさん、こんにちは。

いまも昔もそうなのですが、
会計事務所の執務スペースにお邪魔させていただくと
机やパソコンに次いで
視界に飛び込んでくるのが「書棚」の存在。

小規模の事務所でも、
書棚が一つしか置かれていないケースは
滅多にありません。

その中身は、税法六法や税務会計に
関連する書籍等もありますが、

圧倒的にスペースを割いているのは
顧問先ごとの
監査・決算ファイルではないでしょうか。

おおよそ直近3期分を綴じておき、
それ以外は別の倉庫などに保管したりします。

オフィススペースに
余裕のある会計事務所であれば、
「資料部屋」などが一部屋、二部屋と
用意されていることもあります。

さてこれらの書棚、倉庫、資料部屋、
今後もずっと必要でしょうか。


むしろ、
世の中に資料の電子化が進んでゆくなかで、
あるいは在宅業務も普及していくなかで、

高い家賃のうちの一部が
いつまでも紙資料の保管のために
費やされているというのは
ナンセンスではないかと私は思います。

ところが、

「これまで業務上の点検・決裁資料には
 必ずハンコを押してゆく必要があったから...」

「毎回、画面上で資料データを確認するのでは目も疲れるし、
 余計に手間がかかる気がするんだよね...」

ペーパーレスを推進するにあたっては、
このような反対意見が挙がってくるものです。

とくに、紙を介した点検決裁の習慣を
何十年と続けてきた
ベテラン先生、ベテラン職員の方については、

「下手にペーパーレス化したら、
 業務効率が大幅に落ち込んでしまう」

という危機感を持つことがほとんど。


そして気がつくと、オフィススペースのなかに、
巨大な書棚が一つまた一つと増えてゆくのです。

さらに、備品のストックスペースが減らされ、
通路は狭くなり壁という壁が
そびえ立つ書棚で埋め尽くされて、

“もっと背の高い書棚に買い替えようかな”

“そろそろ倉庫を借りたほうがいいかな”

“いっそのこと広いスペースのオフィスに
 引っ越しするべきかな”

という気持ちになっていきます。

この数カ月で、
このような状況に陥っている税理士先生と
何人もお会いしました。

本当にそれで、
根本的な問題は解決するのでしょうか。


よくよく考えてみると

「ウチの事務所は、
 とにかくペーパーレス化が遅れていて...。

 職員に言ってみても、
 腰が重くて全然動こうとしない」

という所長先生に対して、

「実は、
 ペーパーレス化を全面推進すれば、

 一番大変な思いをするのは、
 電子上の点検や決裁を苦手とする所長なんです。

 ここがクリアされないと、
 私たちは進めたくても進めることができません」

という職員の方々のご意見。


税理士資格者の高齢化が進み、
進めたくても踏み切れない実情も見えてきます。

でも、もうそろそろ言い訳せず、
始めてみませんか。

と、思うのは私だけでしょうか。

 


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「大海」を知ること

みなさん、こんにちは。

“井の中の蛙(かわず)大海を知らず”

という有名なことわざがあります。

誰でも知ってはいても、
自身が「井の中の蛙」であると
積極的に認めたがる人はそう多くはありません。

私も、まさにその一人です。

それだけ、
日々の行動、見聞きする情報、
価値観といったものは固定化しやすく、
その固定化した環境のなかで
物事を想像したり判断することになりがちです。

そのほうが、現場は安心ですし
何より未知のリスクに晒されずに済みます。

しかし、会計事務所経営という
大きな視点で見た場合はどうでしょうか。


私は、
これまでに全国で様々な所長先生から

「別に今困っているわけではないから...」

「本当に困ったときには、すぐに行動するから...」

というご意見を数えきれないほど聞いてきました。

しかし、成長し続ける
会計事務所の所長先生のなかに
「困ってから行動する」というお考えの方は
ほぼ皆無です。

それは本当に困ってしまってからでは、
行動に移せないという経験を
みなさん過去にお持ちだからに他なりません。


そこで、今後起こりうる困りごとを
先回りして経験し解決法を探る手段として有効なのが
「事務所(事例)見学会」だと思います。

もっと先進的な会計事務所様であれば、

「井の中=ご自身の事務所」ではなく、

「井の中=税理士業界全体」という発想から、

他業種の事例まで
アグレッシブに活用することもあります。

それだけ、ご自身の頭の中にあるリソース、
ご自身が経営する環境の内側にあるリソースだけで、
生まれてくるアイデアには
限界があるのだと思います。

それを自覚しているからこそ、
井戸から外に飛び出して「大海」の存在を
知ろうと行動するのではないでしょうか。

「知らない」自分を認めるのは、
なかなか勇気のいることだと私は思います。

中途半端なプライドが、
それを邪魔することもあります。

その一方で、
成長発展著しい会計事務所の所長先生は
「知る」ということに対してとても貪欲です。

知らないことが恥ずかしいのではなく、
知らなければ知りたい、必要があればすぐに
ご自身の事務所に取り入れたいのです。

そういった姿勢だからこそ、
多少の失敗はあっても
結果的に伸び続けるのだと思います。


ただし、これは経営者という立場が
そこに駆り立てるのであって、

日々目の前の業務で忙しい
現場職員という役割であれば、
同じような感覚を持っているとも限りません。

むしろ、あれもこれもと
新たな情報を外部から仕入れてしまうことで
職員を混乱させてしまわないかと
過度に心配される先生もいらっしゃいます。

しかし、
「大海」を知る機会を与えなければ、
現場はずっと「井の中」のままなのです。



先日、弊社グループの
エヌエムシイ税理士法人東京オフィスに、
とある地方から所長先生、若手職員さんのお二人で
見学にいらっしゃっていただきました。

所長先生もさることながら
若手職員さんからは

「同業の職場を、はじめて見学させていただいて

 これまではどうにもならないと

 ずっと悩んでいた業務上の課題が、

 エヌエムシイさんでは
 当たり前のように解決されていて目からウロコだった。

 ぜひ私たちの仕事にも取り入れたい」

と非常に前向きで建設的なご意見をいただきました。

その姿を見て、
先生もどこか背中を押されているように感じました。


井戸の中から一歩外へと、
足を踏み出してみましょう。

そのきっかけを作れるのは、所長先生しかいません。
 


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「値決めは経営」とは言うものの

みなさん、こんにちは。

先日、ZOOM個別相談でお会いした
某若手税理士先生のお話です。

「このところ、
 税理士紹介サービスからオファーの来る先は
 そのほとんどが年報酬20~30万円台で、
 記帳代行まで込みが当たり前。

 実際にお会いしてみると、
 さらに値切れないかを探ってくることもある...

 正直なところうんざりしている」

所長先生、パート、アルバイトの3名体制。
開業してまだ3年ほど。

お客様を選んでいる余裕などないと、
できるだけオファーを断らずやってきたものの、
お客様も、スタッフの入れ替わりも激しく
疲れ切っている様子でした。

そのようななか私たちのグループ、
エヌエムシイ税理士法人実践事例公開Webセミナーを
ご視聴いただき、

私たちが平均報酬単価100万円の実現まで
あとわずかのところまで
来ているという情報を知り、

「件数を追わずに、
 単価を上げたほうが得策かもしれない」

と考えられるきっかけとなったと聞きます。


ただ、報酬単価を上げるというのは、
そうそう簡単にひらめいて
実現できるものではありません。

私たちのグループ税理士法人でも、
50年近い試行錯誤を
繰り返した歴史があるからこそ
そこまでたどり着くことができましたが、

少なくとも、件数をカバーする目的で
単価を上げようとする考え方では、
なかなか実現は難しいような気もします。


そういえば以前、
こんなことを教えてくれた
都内大手事務所の
税理士先生がいらっしゃいました。

「木村さん、うちは昔から法人のお客様は
 月7万円~って決まっているの。

 同業の先生からは『高いねぇ』って言われるけど

 月7万円のお客様は、月7万円支払えるレベルの
 お客様ばかり紹介してくれるし、

 報酬の高いお客様のほうが
 ひょっとしたら些細なことで
 クレームに発展することも少ないのかもしれない。

 また、月7万円以上のお客様に
 不満を与えないようなサービスを
 職員は日々創意工夫して
 実践しなければならないから

 採用する際も、
 それなりのスキルを要求する代わりに
 それなりの条件も提示する。

 あまり詳しくは聞かないけど
 みなさん欲張って、
 条件に満たないお客様や職員を
 安易にとってしまうから
 どんどん低い方低い方へと
 流れてしまうんじゃないかな...」

とのこと。

会社を経営されている方が
その事務所の良し悪しを
自ら評価されるのですから

事務所が高い報酬体系を維持するには、
やはり高品質なサービス、
それらを実現するための高いスキル、
モチベーションを備えたスタッフなしには
難しいのかもしれません。


その一方で、
たとえ平均単価は低くとも
地元のお客様のニーズにマッチしており
効率の良い仕事で手堅く利益を出し、
規模を拡大している事務所も全国にあります。


国内の大多数が中小零細企業であり、
支える会計事務所もまた
中小零細組織という事実を考えれば、
 
むしろ高効率・低価格の戦略のほうが、
勝てる確率は高いのではないと私は考えます。



冒頭にあげた先生が、
今後どちらの路線で
戦略を立ててゆくのかはわかりませんが、

現段階においては、
一定の人員が安定的に確保できるレベルの
サービス(報酬)体系を維持すること。

さらにそのサービス内容で十分
ご満足いただけるお客様に
ターゲットを絞るほうが良いのではないかと
私自身は思いました。


「値決めは経営」

という格言もありますが、

みなさんは、どうお考えになりますか。

 


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