「大海」を知ること
みなさん、こんにちは。
“井の中の蛙(かわず)大海を知らず”
という有名なことわざがあります。
誰でも知ってはいても、
自身が「井の中の蛙」であると
積極的に認めたがる人はそう多くはありません。
私も、まさにその一人です。
それだけ、
日々の行動、見聞きする情報、
価値観といったものは固定化しやすく、
その固定化した環境のなかで
物事を想像したり判断することになりがちです。
そのほうが、現場は安心ですし
何より未知のリスクに晒されずに済みます。
しかし、会計事務所経営という
大きな視点で見た場合はどうでしょうか。
私は、
これまでに全国で様々な所長先生から
「別に今困っているわけではないから...」
「本当に困ったときには、すぐに行動するから...」
というご意見を数えきれないほど聞いてきました。
しかし、成長し続ける
会計事務所の所長先生のなかに
「困ってから行動する」というお考えの方は
ほぼ皆無です。
それは本当に困ってしまってからでは、
行動に移せないという経験を
みなさん過去にお持ちだからに他なりません。
そこで、今後起こりうる困りごとを
先回りして経験し解決法を探る手段として有効なのが
「事務所(事例)見学会」だと思います。
もっと先進的な会計事務所様であれば、
「井の中=ご自身の事務所」ではなく、
「井の中=税理士業界全体」という発想から、
他業種の事例まで
アグレッシブに活用することもあります。
それだけ、ご自身の頭の中にあるリソース、
ご自身が経営する環境の内側にあるリソースだけで、
生まれてくるアイデアには
限界があるのだと思います。
それを自覚しているからこそ、
井戸から外に飛び出して「大海」の存在を
知ろうと行動するのではないでしょうか。
「知らない」自分を認めるのは、
なかなか勇気のいることだと私は思います。
中途半端なプライドが、
それを邪魔することもあります。
その一方で、
成長発展著しい会計事務所の所長先生は
「知る」ということに対してとても貪欲です。
知らないことが恥ずかしいのではなく、
知らなければ知りたい、必要があればすぐに
ご自身の事務所に取り入れたいのです。
そういった姿勢だからこそ、
多少の失敗はあっても
結果的に伸び続けるのだと思います。
ただし、これは経営者という立場が
そこに駆り立てるのであって、
日々目の前の業務で忙しい
現場職員という役割であれば、
同じような感覚を持っているとも限りません。
むしろ、あれもこれもと
新たな情報を外部から仕入れてしまうことで
職員を混乱させてしまわないかと
過度に心配される先生もいらっしゃいます。
しかし、
「大海」を知る機会を与えなければ、
現場はずっと「井の中」のままなのです。
先日、弊社グループの
エヌエムシイ税理士法人東京オフィスに、
とある地方から所長先生、若手職員さんのお二人で
見学にいらっしゃっていただきました。
所長先生もさることながら
若手職員さんからは
「同業の職場を、はじめて見学させていただいて
これまではどうにもならないと
ずっと悩んでいた業務上の課題が、
エヌエムシイさんでは
当たり前のように解決されていて目からウロコだった。
ぜひ私たちの仕事にも取り入れたい」
と非常に前向きで建設的なご意見をいただきました。
その姿を見て、
先生もどこか背中を押されているように感じました。
井戸の中から一歩外へと、
足を踏み出してみましょう。
そのきっかけを作れるのは、所長先生しかいません。


