一つの職場で10年以上働いていると、
「このままでいいんだろうか?」という不安になる時がある。
このままでいいんだろうか?
というのは、なんなのだろうか??
多分、それは「成長」に関する不安。
何か、一つのところに安住して、
前に進めていないのでは、なかろうか?
そういうことを
フワフワ思ったりするわけ。。。
で、
最近読んだスティーブ・ジョブズの本に面白いことが書いてあった。
「ここにないものは、向こうにもない。」
ジョブズが慕っていた禅の師匠の言葉らしい。
なんだか、この言葉がひっかかった。
今の場所で、今の仕事に集中すれば、
多分、ここに全てがあるんだと思う。
ここに無いものは、どこに行ってもない。
それは、自分に見つけ出す力が無ければ、
どこに行っても、自分を成長させるキッカケを
見失ってしまうから。。。
鎌倉矩子の先生の本で、
作業療法は面白い
という本があって、
そこの一文で、自分が好きな箇所に、
鎌倉先生が、臨床2〜3年目の頃に、
ブルンストロームの論文を発見する
というストーリーがあって、
私はそれがすごい好き。
そのことをふと思い出した。
今やPTOTの学生ならみんな知ってるような
ブルンストロームステージだが、
昔は、脳梗塞の人がブルンストロームステージのように、
ある一定のパターンを通って、
麻痺が良くなるということは、
明らかになっていなかった。
ブルンストロームの論文は、
片麻痺の人がある一定のパターンで、麻痺が回復していく。
ということを明らかにした論文だったのだが、
これを読んで若き鎌倉先生は衝撃を受ける。
そうか!
臨床で、起こる現象をきちんと見ていけば、わかるんだ!
と、そんなことに気づくのだそうだ。
現実で、目の前の患者さんをきちんと見ていけば、
そこに、真理というか、
ある一定の法則というか、
そういうことがわかるのだ!
ってわかる。
そこに仕事の極意があるのだ。
と気づいたんだと。
そういう話だった。
ブルンストロームって偉いお医者さんでも科学者でもなく、
スウエーデンの理学療法士だったらしいんだけど、
だれでも、目の前の現象をしっかり見ていれば、
何か真理を見つけ出せる。
そういう勇気をくれる話だと私は思った。
このストーリーを読んでいつも
自分が励まされるのは、
すべて、今この場にあるのだということ。
全て目の前の患者さんが教えてくれるし、
目の前の現象を曇りなき眼で見ていけば、
そこにある一定のパターンだったり、
真理だったり、
コツだったり、
そういったものがわかるのだということ。
現実で困難に遭遇した時、
何か外部から知識を得ようとしたり、
外に何か助けを求めるのではなく、
今ここ。
目の前にあるものをじっくり見ていけば、
必ずそこに突破口がある。
この話は、なんかそんな気分にさせられて、
いつも力づけられる。
で、話は最初に戻るんだけど、
10年以上一つのところで働いていると、
このままでいいんだろうか?
という不安が出てくるけど、
結局今の所でできないことは、
他のどこに行っても、成し遂げることはできない。
そう思うと、
まずは目の前の仕事に集中しよう。
そんな風に思うのでした。