1990年代に、体細胞の分裂には限界があるということが明確になったそうである。
体細胞の端にあるテロメアというタンパク質が
細胞分裂をするにつれてだんだん短くなり、
あるところで体細胞分裂は止まってしまう。
それゆえテロメアは命の限りを刻む時限装置だと言われるそうだ。
人は生まれた時から、「終わり」が埋め込まれているのだという事実は、
なんだか考え深い。
どんな生き方をしても、
皆どこかで終わりを迎えるのだ。
臨床でたくさんの老人を見ているが、
どんな生き方をしていても、
老いだけは、無差別にやってくるなと思ったりして、
そこに一つの残酷さを感じる時もある。
だからこそ、生あるうちは、精一杯生きなければと思う。