臨床実習は全員合格で良い。 | 作業療法士杉長彬(すぎながあきら)のやる気を高めるコミュニケーション

作業療法士杉長彬(すぎながあきら)のやる気を高めるコミュニケーション

現役の作業療法士が、リハビリ職のためのやる気を高めるNLPコミュニケーション術をお伝えいたします!NLPを用いたコミュニケーションセミナーを行っています!

「杉長くんは、すごく頑張っていたと思うけど、

今のまま臨床に出すのはとても危険だと思う。

今の杉長くんが、臨床に出たら、患者さんも周りも困ると思う。

だから身体障害領域のOTの実習としては合格点は上げられないかな。。」

と実習の最終日に実習指導者に言われた事は、

もう10年以上前のことですが、今でもよく覚えています。


実習に行って、うまくいかず、

実習は不合格。

うちの学校では、

実習地の点数が70%。学校側が30%の比率で

成績を出していたので、

当然、総合的に判断しても、

合格点に至らない。

という結論に達し、

実習不合格にて、留年。

という形になりました。


たしかに学生との時の自分を思い返してみると、

学校の勉強もちゃんとしていなかったし、

実習中の態度も、危険だったな。

と思うことも多々あり、

実習指導者としても、

不合格とするしかなかった気持ちも、

よくわかるわけです。



ただ、その後、私も翌年卒業して、

臨床に出て、

何人も自分自身が実習指導者になる経験もして、

また自分の病院の就職担当にもなり、

たくさんの採用面接をしてみて、

あのときの事を思い返してみると、

やっぱりちょっとおかしいなと思うことがあるのです。



それは、臨床実習における不公平感です。

OTの実習というのはたった一人で、

実習先の施設に行き、

2ヶ月ほどの教育を、

1人or2人の実習指導者から

マンツーマン方式で、受けるのですが、

この実習の成績というものが

実習指導者のさじ加減によるものが、

多すぎると思うのです。


甘い実習指導者にあたれば、当然成績も甘くなるし

厳しい実習指導者にあたれば、成績はとても厳しくなるのです。


なので実習がうまくパスできるかどうかは、

かなり運の要素が強くなっている訳です。




ここで、また最初の言葉を思い返します。

「今の杉長くんが、臨床に出たら、患者さんも周りも困ると思う。」

という言葉。

この言葉の意味をずっと考えていました。

今のままじゃ、困るから不合格。だから留年。

この理屈が、通るようだけど、どうも納得いかない。

そう考えていたのです。

なぜなら、留年したところで、

自分は臨床経験を積むことができるわけではないからです。

留年しても、学生なので、ただプラプラして、

バイトしたり、残った授業をとったり、ちょろっと国家試験の勉強をしたり、

するだけでしたので、

別になにか臨床家としての経験を積めるわけではない。

これがどうも変だなって思っていました。



自分が、免許を取って、

実習指導者になって、

いろんな学生を教えていく中で、

確かに、学生の頃の自分のように、

「この子、臨床に出たら苦労するだろうな。」

って思う学生さんはたくさんいました。

だけど、そういう学生さんも、私はすべて合格にしました。

臨床に出たら苦労するからこそ、

早く臨床に出て、苦労して、いっぱい失敗して、

その中から学んだ方がいい。

そう思っていたからです。

苦労するからといって、不合格にして、

留年させたところで、

別に臨床家としてのスキルが磨かれるわけではない。

だったら、早く臨床に出た方がいいと思ったからです。

OTとして、使い物になるか、ならないか

っていうのは、

臨床実習で判断するものじゃなくて、

実際に働いてみて、

1年働けた。

3年働けた。

5年働けた。

っていうそういう年月の中で、

作業療法士に向く人。

作業療法士には向かない人。

っていうのが、わかるものなんじゃないかって

思うんですよね。

作業療法士っていう資格は1年目ですでにもらえるけど、

本当の意味で作業療法士になれるのは、

5年、10年、20年とかかるものだと思います。

だから作業療法士免許取得をゴールにしてはいけない。

これは単なるスタート。

だけど、臨床実習を厳しくすればするほど、

資格取得をゴールだと勘違いがさせてしまう。

そう思います。

これからスタートを切るんだから、

もっとスルッと誰でも合格って感じでもいいんじゃないかって思います。



だから、実習で成績つけるのはいいけど、

それによって、留年させたり、

場合によっては退学していったり、

そういうのは、私は間違いだと思っている。

それは人を育てるっていう意味で、

違うんじゃんじゃないかなって思うのです。



あと。もう一つ思うこと。

これは求人活動をしながら思ったことですが、

困った学生なら、そういう人を

雇わなければいいんじゃないかっていうことです。

よく実習指導者の言う言葉として

「あなたみたいのが、作業療法士になってもらったら困るから、不合格ね。」

っていうのがあるわけですが、

そんなこと言うなら、

別にそういう人を雇わなければいい。

一緒に働かなければいい。

それだけの話なんじゃないかなって思うわけです。

別にそういう人は実習で不合格にする必要なんかなくて、

雇わなければいいだけの話です。

そういう人がライバルの病院に就職してくれたら、

それでいいんじゃないかと思うのです。



だから、実習ではなく、

就職活動がもっと厳しくなるような

OT業界を作る。



そういうことを目指していくのがいいんじゃないと、

その方が健全じゃないかと思うのです。


優秀な学生は、いい病院に就職したがり、

そしていい病院はどんどん優秀なOTが集まってくるので、

どんどん評判がよくなっていくんだけど、

あまり優秀でない学生は、

あまりよくない施設にしか就職ができなくなり

その施設は新人教育に非常に苦労する。

それで、じゃあどうやったらもっと自分の施設が魅力的になって、

若い人がもっと就職したいって思えるようになるだろうか?

って工夫するようになる。


そういう一般企業の就活でもあるような、

ちょっとした競争原理を

この業界にも取り入れていくことで、

もっとこの業界が全体がよくなるんじゃないかと

思います。


そんな実習指導についてもいろいろ語ったpodcastの配信を、

本日0時に行いました!

興味ある人是非聞いてみてください!!

iPone,iPodtouch,iPadの方はこちら!!  
それ以外のかたはこちら!!!  




☆セミナー情報
今後のコミュニケーションセミナーの予定をお伝えいたします。
平成27年12月20日(日)

自分も相手もやる気が高まる教え方セミナー
~目標設定と伝える情報の単純化で伝わりやすくなる指導教育のコツ~
 

□平成27年11月13日(金)
埼玉県老人保健施設協会さん主催
多職種連携のためのコミュニケーション講座  



☆メルマガ情報
メルマガ配信しています!!!


メルマガ登録はこちらからでもどうぞ。

リハビリコミュニケーション研究所のメルマガ.JPG




2日に1回 リハビリ職のためのちょっとしたコミュニケーションのコツについてお伝えしています!!

メルマガの内容はブログとはまた違った内容を配信してますので、おたのしみに!!

また、メルマガ登録者限定で、セミナーの音声、セミナー動画、セミナーのレジュメなど、特典いっぱいです。

無料にて配信しています!!


よかったら登録どうぞ~登録、解除、再登録、すべてフリーです。