PTコンプレックスから脱却し「私は作業療法士です!」って自信を持って宣言したい! | 作業療法士杉長彬(すぎながあきら)のやる気を高めるコミュニケーション

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「俺らが手芸とか陶芸とか木工とか作っている間にあいつら(PT科の学生たち)さらに筋肉の勉強していたのかよ!くそーこんなんじゃ勝てないよ!」

今から思えば、OTの養成校の頃、こんなことを仲間内で話してた頃から、

”PTコンプレックス”は始まっていたのかもしれないな?

と思ったりします。

私の学校はPT科20名、OT科20名の学校でしたが、

解剖学や生理学、運動学など、

PTもOTも共通する科目については、

PT、OTとも一緒に授業を受けることになっていました。




運動学実習の授業で、

先生が

「この歩行時、下肢はどんな筋肉使っているかな?」

など、解剖学に基づく簡単な質問を生徒にしたりするんですが、

そういうときスラスラ答えるのは、

決まってPTの学生でした。

PTの学生は授業が進めば進むほど理解が進んでいる感じで、

学生同士で「なるほど!だからこの筋は○○神経の支配だからどーのこーの」と

楽しそうにやっているのですが、

OT科の学生は授業と話の内容についていけず、

ぽかーんとしている。

という状況でした。


OT科の学生だけで集まった時に、

「PTってすごいね。何であんなに身体の解剖が頭に入っているんだろうね。。。

やっぱり頭がいい人ばかりなのかな。。。」

とこんな話をして、少し卑屈に盛り上がっていたのですが、

あるとき、この差は頭の良さの差というよりも、(でも入試の段階から頭の良さの差というのも歴然とあるのですが、)

そもそも授業内容の差なのだということに気づきました。

われわれが作業学実習で木工や手芸などいそしんでいたり、

精神科の授業を受けていたり、

している間も彼らは

理学療法評価学や治療学などで、さらに身体の解剖学を復習した上で、

理学療法の評価法や治療法について学んでいたのか!ということに気づいたのです。

「俺らが手芸とか陶芸とか木工とか作っている間にあいつら(PT科の学生たち)さらに筋肉の勉強していたのかよ!くそーこんなんじゃ勝てないよ!」

と、そんなことを思ったものです。


作業療法というのは、とかく曖昧な学問です。

学問と読んで良いのかどうかさえも怪しいと思うときもあります。

さらに、広く浅く学ぶことが前提としていますので、

とかく、身体のことについて専門的になればなるほど、

PTの前で、OTは及び腰になってしまう。

これが”PTコンプレックス”の始まりなのではないかって思うのです。





私の職場は精神科単科の病院で老人デイケアや精神科デイケアを併設する病院ですが、

昔は理学療法士がいました。

しかし、PTがいると、

身体のことについては全部PTさんにお任せ!って言う感じになってしまい

OTは全く手を出せない。手を出さない。

そういう状況が続いていました。

PTさんが出てきて、身体のことについて専門的に見始めたり、

話始めたら、OTは何も言えなくなっちゃたりするのです。

残念な話だし、情けない話ですが、

そういうことが起きたりします。



それ以外にも、

身障領域では作業療法士であるにも関わらず

身体をさすったり、もんだり、動かしたりして、

エセPTみたいな人が結構いて、

問題になるという話をよく聞きます。

OTなんだから、OTらしいことやってよと言われるんだけど、

ついついPTっぽい手技に走っちゃう。

そういう問題がある。みたいな話題も、よく聞きます。

でも逆は聞かない。

PTなんだけど、歌歌ったり、折り紙やったりレクばっかりやって困っています。

とか、そんな話聞いたことありません。


OTはPTのやっている分かりやすさとか、格好良さとか、にひかれて

エセPTみたいなOTになっちゃうことはたくさんいるんだけど、

逆はない。

これはまさにPTコンプレックスなんじゃないかと思うわけです。



多くの作業療法士は身体の事になると理学療法士に引け目を感じたり、

逆にOTなのにPTになりたいってなったりする。

このことは”PTコンプレックス”現象が起きているのだ!って思うのです。




じゃあ、精神科にいけばPTがいないから、

OTとして自信を持ってやれるのか?

って思うかもしれないけど、

そうでもない。

精神科に言っても、

今のトレンドは認知行動療法。

そうすると、そういったものにもっと詳しい

臨床心理士に対して、

コンプレックスを感じたりするのです。


作業療法士は専門性がないのが、専門性みたいところがあって、

どこの領域に行っても、

より専門的な人が出てくると、

とたんに自分のアイデンティティーがわからなくなる。

そんな作業療法士っていう仕事。

昨今、作業療法士の”作業”の部分こそが専門性だ!

っていうことを思い始めて、

人間作業モデル、AMPS、COPM、作業科学。

こういったものに、関心を持つOTが多いのも、

きっと自分達のアイデンティティーがわからなくなる。

そういうことを感じたOTが多いからじゃないかと思うのです。


で、そんな状況の中、自分はどうしていきたいかというと、

最近はあまり、OTだから○○みたいなことにこだわらない方が、

楽しく仕事ができるなって感じています。


「OTだから○○ができる。」

とか

「○○はOTの専売特許だ!」

と肩肘張るんじゃなくて、

シンプルに

「自分は○○ができます。」

と自分のできること、得意なことをわかって働く方が、

気楽に楽しく働けるなと思っています。



あと、OTのアイデンティティーに悩む人はぜひ、

下記の本を読むことをお勧めいたします!!!

先輩たちがどんな思いで、OTを創り出してきたのか、

その歴史を知ると、アイデンティティークライシスだなんて、

府抜けた事言っているばあいじゃないなって、

やる気が高まる1冊です!!

作業療法を創る (―この50年のナデシコ・サムライたちの挑戦―)   


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□平成27年11月13日(金)
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