中井久夫先生というのは、神戸大学の名誉教授の精神科医です。
分裂病の寛解過程論という論文が有名な先生です。
私もこれについて語れるほど知っているわけでありません。。。。
さて、それで私が中井先生のどんな文章に
おおっと思ったのかというと、、、
「驚くべき病的体験、たとえば世界が粉々に分解するというような、まだ誰も報告していない現象を話してくれる患者がいたとします。
その彼が友達と映画を観に行ったり、ベースボールをしたり、喫茶店に行ったりしたことを、
私は驚くべき病的体験の話よりも膝を乗り出して興味を持って聴けるか。
ーじつはそれは、医学部に入ってから何十年経った人間、
医者の世界で生きてきた人間にはとても難しいことです。」
という文章です。
中井先生は、ここで、医者がいかに患者さんを医学という観点から「病気の側面」ばかりを見ているか。
そして、病気の側面を見るのではなく、患者さんの健康的な側面をみるからこそ、
患者さんの健康になっていくのだ。
てなことをいっているのですが、
最近、まさにその通りだなって思うことがありました。
それは、こないだ、OT学生さんの症例報告を聴いたのですが、
その内容がまさに、患者さんの妄想や幻聴ばかりがクローズアップされた内容で、
もっとその人の人となりがわかる症例報告が聴きたいなって思ったという出来事でした。
セラピストというのは、
患者さんの困っていることとか、
悩み事とか、
問題とか
そういう話をされると
ついつい、
身を乗り出して、
話を聴いて、
ついつい
「なんとかしてあげたい」っていう気持ちになるものですが、
そういう気持ちもあまり行き過ぎると、
あまり都合の良くないものです。
その人の問題ばかりに意識がいってしまい、
その人の良いところとか、
その人の健康的なところに意識がいかなくなってしまう。
そんなことを思います。
だからこそ、最近思うのは、
人の、問題とアウトカムを両方を同時に扱って行くNLPの考え方ってすごくバランスが良くて、わかりやすいモデルだなと考えております。
OTに関わらず、リハビリ職というのは、基本的に医学ベースの教育を受けています。
リハビリの世界に
ICFなどが導入されて、
人のストレングスも見ていくのだということにはなっていますが、
やはりリハビリの世界では、医学教育がベースにあります。
ですので、学校では、
徹底的に病気や障害の勉強をするわけですが、
その人のストレングス(その人の強み)を見つけ出すやり方についてはそれほど教育を受けていないのではないかと思います。
リハビリの世界では、
まだまだ問題や課題、障害を理解する上での、評価法、モデル、捉え方のメソッドはたくさん開発されているにも関わらず、
その一方で、その人の強みや目標、良いところやリソースを理解するための評価法、モデル、メソッドは驚くほど少ないのではないでしょうか。
それは、やはりリハビリ職というのが、
最初は戦争の後遺症、脊損や骨折などの急性期の分野から発展して職業だから、というのが大きいのではないかと思います。
作業療法にはもともと道徳的なところはありましたが、
しかし本格的に日本に輸入されてきた時には、
医学として輸入され、
医学として発達してきたものなのです。
だからこそ、リハビリはもともと医学的ですし、問題志向的なのだと思いますが、
今後、地域や維持期慢性期生活期での実践をするリハ職がどんどん増えて行くことを考えると、今後はこのようなその人の強みを発掘するような評価法、モデルなどが開発されていくのではないかと思っています。
あまりまとまりませんが、
そんなことを思い
つらつらと書いて見ました。
では、また
※ 中井久夫 「こんなとき私はどうしてきたか」 医学書院より
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