OSAⅡ(作業についての自己評価改訂版)についての話 | 作業療法士杉長彬(すぎながあきら)のやる気を高めるコミュニケーション

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作業療法の評価の一つにOSAⅡ(作業に関する自己評価)というものがあります。



今まで臨床の場面で、たまに使ってみたりしているのですが、
OSAⅡって自分にとってはいつもブームのような感じで、、、


「OSAⅡってすごいな~」
「いろんな事がこの評価から聞き取れるなあ~」
って思っている時は、良く使うのですが、


ひとたび、「OSAⅡってメンドクサイなあ~」
「結局何を聴いているのか良くわからないなあ」
ってネガティブな気持ちになってしまうと、

臨床で使う気持ちが失せてしまう事があります。




私にとっては、OSAⅡはクライアントが大切にしている事がわかるという点では、すごく良い評価だなと思うのですが、

そこから、「じゃあどんなプログラムをしたらいいのか?」
って考えると途端に、
「何をして良いやらわからなくなってしまう。」

そういった事があります。



例えばOSAⅡを行って、
クライアントが
私にとってもっとも変えたい事は、
「音楽を作ってミュージシャンになる事です。プロとして食べていけるようになる事がもっとも大切であり、もっとも改善したい作業です。」なんていう風に語る場合。


私が「じゃあそれについて一緒に取り組んでいきましょう。」なんて話を進めても、
「いや音楽っていうのは、一人で創るものなんで作業療法士さんに手伝ってもらう必要はないです。」
ってな感じでバッサリ切られちゃう事もある訳です。


こういう場合、私は結構困ってしまいます。
OSAⅡを行い本人にとっての大切な事は、分かったような気がするけれど、

そこからどう支援していいかわからない。

または、クライアントが大切だし、変えたいという気持ちはあるけれど、
実際に支援されると思うと、それは断ってしまう。


そういう事がよくあるものです。


精神科で出会う多くの患者さんはアンビバレンツ(両価的)な感情を持っています。


「変わりたいけど、変わりたくない。」

「治りたいけど、治りたくない。」


OSAⅡを行うと、そのアンビバレンツな感情に直接出会う事が多いものです。


つまりOSAⅡ上では「変わりたい」と変化についての意欲を示すけど、実際に「じゃあそのために○○をしましょう」と提案すると、「それは無理です。」と拒否される。

そういう事もあるものです。



私はまだまだ、
クライアント中心の作業療法っていう事がどういう事なのか、
自分の中で整理がついていないなって思います。



例えば、クライアント中心の作業療法といっても、

そもそもクライアントが作業療法そのものを拒否または嫌嫌やっている場合もあります。
その場合、作業療法士はどのようにすることがクライアント中心という事になるのか、

自分の中ではまだ納得のいく関わり方が出来ていません。







ただ、
それでも、私最近、このOSAⅡという評価をまた見直してきています。

やっぱりOSAⅡって面白いなあと思っています。

OSAⅡの面白さは、やはりこれはクライアントの自己評価用紙なので、
どんな形であれ、クライアントがその時どんな事を考えているのか、感じているのかが分かるという所が最大の面白さであり、利点だなと思います。


自己評価用紙なので、普段のコミュニケーションでは聞けない事について聞き取れます。
それが何といっても興味深い所です。



人間作業モデルの他の評価。
例えば、ACIS(コミュニケーションと交流技能評価)、VQ(意志質問紙)、MOHOST(人間作業モデルスクリーニングツール)なんかは、基本的に観察者の主観でつけるので、

結局、評価者である自分自身を信じられなければ、その評価結果自体も自分自身が参考に出来ないという自体が起こりえます。


しかし、OSAⅡは自己報告用紙なので、
まあそこから得られた結果というのは、
一応の信頼性を感じるというか、患者さんの語っていた事としての、信頼性がある事が自分の好きな所です。


そして何といっても、OSAⅡの独特な質問項目は、クライアントに今まであまり聞けなかった事の数々の事を聴く事ができそれが何といっても一番興味深い所です。


特にOSAⅡを使う事で、クライアントの実は思っていた信念や価値観。
将来についての目標など聞ける所がやはり面白いなと思うのです。

普段なかなか聞けない事が質問用紙だと聞けるというのが、
質問紙のいい所だなと思います。




今日は人間作業モデルについていろいろと書いてしまいました。まだまだ自分の中で整理のついていない事も多々ありますが、

ここまで読んでいただいた方がいれば嬉しく思います。



ではっ