更年期を深く考える(20) | マーブル先生奮闘記

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マーブル先生の独り言。2024年1月1日の能登半島地震後の復興をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

更年期を女性らしく生き抜く(19-1)

良性発作性頭位めまい症:耳の骨粗鬆症とめまいとエストロゲン(1)

 

錠剤から貼付、ジェルまで揃っているホルモン補充療法の薬剤たち

 

良性発作性頭位めまいとは

 めまいを引き起こす耳の病気に良性発作性頭位めまい症*があります。病名の中の「頭位」はめまいを発症する時の頭の決まった位置のことで、「めまい頭位」といいます。

 

 良性発作性頭位めまいは、安静時にはめまいが起こらず、頭を動かし、決まった頭の位置でめまいが起こるのが特徴です(めまいが起こる頭の位置は、人によって異なります)。寝返り、起床時、上を向いた時、不意に下を向いた時にめまいが起こるため日常生活に支障をきたします。

 

*有名な「なでしこJapan」の澤穂希さんもこの病気でしばらく休養しました

 

良性発作性頭位めまい症の特徴

 良性発作性頭位めまい症の症状は目が回る激しい回転性のものが多く、平衡感覚が失われ、身体がよろめくこともあります。そのため、めまい時には吐き気や嘔吐を伴うこともありますが、メニエール病*にみられる耳鳴りや難聴などの症状を伴うことはありません。

 

 持続時間は数秒から2〜3分程度ですが、発作を何度も繰り返すのが特徴です。

 

*メニエール病:

 体の平衡感覚をつかさどる耳の奥の“内耳”にリンパ液がたまることによって生じる病気で、30~50歳代で発症することが多く、発症すると耳が詰まったような違和感や軽度の聴力低下が引き起こされます。

 

 体の平衡感覚に異常が起きて回るようなめまいが生じ、耳鳴りやさらなる聴力の低下が起こります。症状は通常片方の耳にのみ生じますが、もう片方の耳に発症することも多く、一度症状が治まっても再発を繰り返していく過程で聴力が徐々に低下することが特徴です。

 

良性発作性頭位めまい症は剥がれた耳石片で起こる

 良性発作性頭位めまい症の原因は、耳の三半規管の中に溜まり、浮遊する耳石(カルシウムの小粒子)です。内耳には、三半規管の根元に重力や体の方向を感知する「耳石器」という器官があります。この中には、耳石と呼ばれる石状のものがあり、これが剥がれて、三半規管に入り込むことでめまいが発症します。

 

 頭の位置の変更時に、剥がれた耳石が三半規管を満たしている内リンパ液の中で動きます。ゼラチン状のクプラという神経の一部がその動きを感じ取った結果、めまいが起きます。めまいは、剥がれた耳石が動いているときだけ起きるので、沈殿した状態になると、短時間で治まります。音を聞く蝸牛には障害がないため、難聴や耳鳴りといった聴覚のトラブルはありません。

 

良性発作性頭位めまい症の原因

 耳石が剥がれ落ちる原因は不明ですが、スポーツなどで頭を強く打った際に耳石が剥がれやすくなる、また、耳石はカルシウムの小さな粒であるため、カルシウムの代謝障害で剥がれやすくなります。そのため骨が脆くなる骨粗鬆症も良性発作性頭位めまい症の原因となります。