豚肉輸入で1億円脱税か=関税法違反容疑、業者を捜索-兵庫県警など | 脱税・申告漏れ日記

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大阪の若手税理士が巷に流れる脱税・申告漏れ報道の裏側を分かりやすく解説します!

『豚肉輸入で1億円脱税か=関税法違反容疑、業者を捜索-兵庫県警など』
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011072200372
時事ドットコム 2011/07/22-11:57

『豚肉輸入で脱税容疑 大阪の業者など家宅捜索』
http://www.asahi.com/national/update/0722/OSK201107220122.html
朝日新聞 2011年7月22日12時32分


「差額関税制度」を悪用し、関税を脱税したとされる事案
・兵庫県警生活経済課と神戸税関から、関税法違反容疑で家宅捜索を受けたのは、大阪市と姫路市の食品輸入会社2社。
・2社は2011年1、2月にデンマークから豚肉を輸入。
・その際「差額関税制度」を悪用し、実際の取引価格より高く購入したように見せかけて神戸税関に虚偽の輸入申告書を提出。→差額関税約740万円を免れた疑い。
・2011年7月22日、兵庫県警生活経済課と神戸税関が、関税法違反容疑で2社それぞれの代表者宅などを家宅捜索。
・同課などは、今回の家宅捜索容疑となった取引の他、昨年12月~今年2月に総額約1億円を脱税したとみている模様。


「差額関税制度」を悪用した、以前の事案と全く同じ構図の脱税事案です。

<関連記事>
豚肉輸入脱税 元業者懲役2年 名古屋地裁判決


以下引用。

「豚肉を輸入する際には、国内の畜産農家を保護するため「差額関税制度」が設けられています。

「差額関税制度」では、国が定めた基準価格に見合う金額になるまで高い関税をかけ、これにより基準価格以下の低い金額での市場流通を防いでいます。

判決によりますと、同被告はこの制度を悪用し、輸入する際の価格を基準に近い金額のように見せかけて虚偽申告をし、関税を免れたとされています。

例えば200円/㎏で輸入できるチリ産豚肉を1000㎏輸入した場合、国が畜産農家を保護するために設定した基準輸入価格が546円/㎏とします。
この豚肉を輸入する際、両者の差額346,000円(=546円×1000㎏-200円×1000㎏)の関税を税関に納付する必要があるのですが、ここでインボイス(仕入れ書)を偽造する等して500円/㎏で仕入れたと税関に虚偽の申告をします。

すると関税を46,000円(=546円×1000㎏-500円×1000㎏)に抑えることが出来るのですね。

インボイスの偽造が簡単なのか、大企業から中小企業までこの手法を使った脱税事件のニュースはよく目にします。

記事の事案はチリ産豚肉でしたが、今回の事案はデンマーク産豚肉でした。
制度を悪用して安易に儲けようと思っても、そう簡単にうまくいくはずもありませんね。

関税を免れ、安価で流通する輸入豚肉は「裏ポーク」と呼ばれているらしく、不正業者が後を絶たないようです。

スーパーで「おっ!この豚肉安いな!」と思ったら、実は「裏ポーク」かもしれません・・。



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