こんにちは
トウガラシが赤くなっているなあと見ていたら、小さな白い花が咲いているのを見つけました。
これまで少なからず生きてきて、トウガラシがこんな可愛い花を咲かせるなんて、初めて知りました。
さて、ドラマ「愛の不時着」から「セリの涙」シリーズ第3回。
今回はドラマの核心に迫るかもしれない「セリの涙
」に着目してみました。
「キスシーン」は涙とともに?、
前回「セリが涙を流すシーン」リストを作成しました。
それを見ていて、思いました。
「セリの涙がキスを導いているみたい」って。
ドラマ「愛の不時着」において、ジョンヒョクとセリ、リリカップルのキスシーンは6箇所あります。
うふふ、これは暗記してるの。
《リリカップルのキスシーン・リスト》
1回目【第3話】(【第4話】冒頭)舟底にて「南のドラマ」方式の「危機一髪の時に使えるすごい方法」として
2回目【第7話】沙里院の病院で雨の中
3回目【第9話】軍事境界線「一歩くらいならいいだろう」
4回目【第14話】ソウルの病院で、ジョンヒョクの傷自慢からの不意打ち
5回目【第16話】スイスで喜びの再会
6回目【第16話】スイスでのラストシーン「一番幸せなふたり」
で、このうち、のマークを末尾に付けた、最初と最後を除いた4回のキスシーン
に、セリの涙がからんできています。
前回のリストから、該当箇所だけ抜き出してみました。
《セリの涙リスト抄》
【第7話】意識が戻ったジョンヒョクから辛辣な言葉を受け、外で泣く
【第9話】軍事境界線手前、ジョンヒョクと別れ背を向けてから
【第14話】ボイスレコーダーを聞いて、母の思いを知ったとき
【第16話】スイスでの喜びの再会
ちょっと、ひとつひとつ振り返ってみましょう。
【第7話】意識が戻ったジョンヒョクから辛辣な言葉を受け、外で泣く
自らの思いを封じ込め、命をかけてセリを帰国させたはずなのに、それが果たせなかったと知り、きつい言葉を浴びせてしまったジョンヒョクさん。医師や看護師からセリの輸血によって自分の命が救われ、彼女がずっと泣いていたことも知らされます。
セリを傷つけてしまったと探しに出ます。そこで「私も一度くらいはジョンヒョクさんを守りたかった」と泣きながら語るセリとの会話により、ジョンヒョクの封じ込めていた思いがあふれ、キス
に至りました。
【第9話】軍事境界線手前、ジョンヒョクと別れ背を向けてから
目の周りが赤くなりながらも、涙は流さず「じゃあね」と背を向けたセリ。とたんにぽろぽろと涙がこぼれます。
涙をジョンヒョクには見せていないけれど、あの寂しそうな背中・・・。「寂しそうな背中」っていう演技ってできるのですね。セリが線を越えた途端、封じ込めていたジョンヒョクの心を突き動かしたものがあり、「一歩だけならいいだろう」の名言とともにキス至りました。
【第14話】ボイスレコーダーを聞いて、母の思いを知ったとき
これは、シーンが離れているようでも、母の思いを知り、積年の胸のつかえがとれた「セリの涙」から始まった「傷自慢」です。そこからの勢いでキス
に至りました。
【第16話】スイスでの喜びの再会
「エーデルワイスの咲く国で会いましょう」これだけの約束で、いつとも、具合的な場所も分からず、セリは途方に暮れる思いがしていたことでしょう。期待しては外れ、期待しては外れ、の繰り返しで、ようやく会えたリ・ジョンヒョクさん。うれし涙がこぼれ、抱きついて、そこからキス
至りました。
最初と最後を除いた、すべての(4回の)キスシーンが、「セリの涙」からの~だったとは。
ちなみに1回目の舟底でのキスは、ドラマの序盤を盛り上げる要素としての役割とともに、2人の関係性や少し近づいた役割がありましたが、しかし、あくまでも「恋心が募って」ではなく「偽装作戦」の一種でした。ま、ジョンヒョクさんも、セリだから偽装作戦を実行したかもしれませんが
そして、ラストの6回目のキスは、台本上には設定されず、メイキング動画を見ると、日本語字幕では省略されていますが、ソン・イェジンさんの提案により行われたようです。『愛の不時着・完全版』のシナリオでは「セリとジョンヒョクの一番幸せな姿」とあります。あぁ、この幸せそうなキスシーンで、どれだけ視聴者を幸せにしてくれたことでしょう
。「え、年に二週間だけ?」とちょっと複雑な気持ちになってもいる視聴者の心配が吹き飛ぶような、まさに「一番幸せな姿
」を見せてくれました。
と、いうことで、今回のテーマ「セリの涙」に戻りましょう。
リリカップルの愛情の高まりを示すキスシーンは、セリの涙を経て実現するものだったのですね。はぁ。
このドラマが切ないのは、こんなところにも原因があったのかしら・・・。
「抱擁シーン」も涙とともに?
しかしながら、「セリの涙」が呼ぶのはキスシーン
だけでもないみたいです。
キスシーンともに、貴重なハグシーンも呼んでいます。
急きょハグシーンもリスト化してみました。
銃弾に撃たれたシーン【第6話】【第7話】【第13話】(かばったり、抱きかかえたり)や、キスシーンにおける抱擁を省いています。
《リリカップルのハグシーン・リスト》
【第1話】不時着した樹からの「降臨」
【第4話】パラグライダーで2人乗り逃避行
【第8話】雪の中を帰るジョンヒョクが心配でセリが車で追いついたとき
【第11話】ソウルの夜、思いがけず街角で再会したとき
【第11話】セリの次兄夫婦が去った後、傷ついたセリにハグ
【第12~13話】泣いて飛び出したセリを追いかけ、後ろからのハグ
【第16話】一度越えた禁断線を戻ってのハグ
以上、これだけでした。
もっとあるように思っていましたが、案外少なかったです。
そのうち該当するのは、を付けた4箇所です。
最初の2つは、衝撃的でドラマティックな出会いと、追っ手から逃れるための仕方のない手段としての胸キュン
シーンでした。
で、「セリの涙リスト」から、該当箇所を抜き出します。
《セリの涙リスト抄》
【第8話】車に乗って、ジョンヒョクを追い、探しているとき
【第11話】ソウルの夜、思いがけず街角で再会
【第12話】みんなの登場にびっくりして、なお泣きやまず外へ
【第12~13話】「来年の誕生日もきっと良い日になる」などジョンヒョクの優しい言葉を聞いて
【第16話】禁断線での別れ「会えないの? 一生?」
これも、ちょっと検討してみましょう。
【第8話】車に乗って、ジョンヒョクを追い、探しているとき
このあたり、セリはずっと泣いていましたね。ジョンヒョクへの愛
を自覚していながら、それだからこそ突き放し、心にもないことを言いました。ジョンヒョクもそんなセリの気持ちを分かって何も言わずに、でも心虚ろに立ち去るなかで、セリが追いかけてきてくれて、涙で濡れた顔を見れば、愛おしさマックスで強く抱きしめます
。キスに至らないのは、突き放し発言をしたセリを「尊重」してのことでしょうか。
【第11話】ソウルの夜、思いがけず街角で再会
これは、どう考えたって、ハグしないほうがおかしいシーンです。もう会えないと思っていた人に、思いがけず会えたのですから。ここでは、セリの涙が抱擁を呼ぶ、というのではなく、セリの涙とハグ
は同時発生でした。
【第12話】みんなの登場にびっくりして、なお泣きやまず外へ
【第12~13話】「来年の誕生日もきっと良い日になる」などジョンヒョクの優しい言葉を聞いて
このあたりも、ずっとセリは泣いていました。でも涙の質が違いました。最初は、ジョンヒョクがいなくなった寂しさと喪失感
によるもので、それが驚きと困惑で制御できない涙
に変わり、さらに、ジョンヒョクのバックハグと言葉で感動の涙
に変わりました。
ところで、『愛の不時着 写真集』(幻冬舎)の表紙カバーは、泣くセリと、優しくバックハグするジョンヒョクの、美しい2人をアップした写真です。
このドラマを代表するにふさわしい感動的なシーンでありましたが、「泣くセリ」を表紙カバーに使うなんざ、すごいですね。
泣き顔が表紙って・・・・・・。
これは泣き顔まで美しいソン・イェジン様でなければ、実現しなかったのでは?
【第16話】禁断線での別れ「会えないの? 一生?」
こちらも涙とハグ
がワンセットでした。
これまで寂しさをにじませながら、ジョンヒョクを無事に帰すため悟りきったセリでしたが、このシーンで初めて感情を爆発させました。
それを「線を越えてまで」しっかり受け止め、涙をともにしたジョンヒョクでした。
ついでながら、私も涙をともにしましたよ←言及の必要なし。
「愛の言葉」も涙とともに?
しかしながら、「セリの涙」が呼ぶのは、キス
や抱擁
だけでもないみたい。
愛の言葉「愛しています」も呼んでいます。
本の背表紙で表現したメッセージを除き、口から発せられた「愛している」は、リストにするほどでもなく、3つのシーンでありました。
リリカップルのどちらかが「愛しています」を口にしたシーン
【第8話】セリが何者かにさらわれて、ジョンヒョクに電話を掛けたとき、セリから。
【第14話】セリの意識が戻ったとき、ジョンヒョクから。
【第16話】禁断線での別れ。ジョンヒョクから、そしてセリから。
それに相応する「セリの涙」リストは以下です。
《セリの涙リスト抄》
【第8話】ラスト、何者かにさらわれ、ジョンヒョクに電話をかけたとき
【第14話】意識を取り戻し、ジョンヒョクに再会したとき
【第16話】禁断線での別れ「会えないの? 一生?」
「セリの涙」と「愛しています」、すべてが重なっています。
ついでに言うなら、この3つのシーンすべてにおいてジョンヒョクも涙しています。
上記、キスシーンとハグシーン、「愛しています」の言葉がないシーンすべてにおいて、ジョンヒョクは泣いていないのに、「愛しています」と口にするシーンではジョンヒョクにも涙
が流れています。
「言葉より行動で示す男」であるリ・ジョンヒョクが、愛の言葉にからむとき、もれなくジョンヒョクの涙
も付いてくる・・・・・。
言葉って重いのね。
ううむ、感慨深いです。
まとめ
愛情表現の発露ともいえる、「キスシーン」、「抱擁シーン
」、「愛しているという言葉
」そのいずれもがセリの涙
とともにありました。
て、ことは、【第12話】腕時計の発覚シーンや、【第13話】指輪シーン、【第13話】橋の上で過去に出会っていたことをセリが知ったシーンなど、手を握ることがせいぜいで、ほぼ見つめ合うだけだったこれらのシーンは、もしセリが涙を流していたら、展開は違っていたの?
なーんて、余計な憶測でごさいました
。
ともあれ、愛を知ったセリの涙が、愛のドラマを語ってくれているのだなと実感しましたよ
。
セリ役のソン・イェジンさんが、セリの心情そのものの美しく、悲しく、愛情のある涙を繊細に演じ分けてくださったのも、「愛の不時着」が切なく、でも切ないだけではなく美しく、至高の愛を伝えるドラマになった一因であるように思いました。