Estadio Algarve
(トリップアドバイザー提供)
【アルガルヴェカップ決勝戦】
▼キックオフ:2014/03/12(水)14:10/日本時間:2014/03/12 23:10
▼スタジアム:アルガルヴェスタジアム(ポルトガル・ファロ)
日本 0-3 ドイツ
(得点) 46分ケスラー、50分ミッターグ、61分マロジャン
[日本女子代表]
GK:山根恵里奈
DF:有吉佐織、岩清水梓、熊谷紗希、宇津木瑠美
MF:川澄奈穂美、阪口夢穂、澤穂希、宮間あや
FW:大儀見優季、大野忍
6分有吉→近賀ゆかり、澤→岩渕真奈
65分大野→安藤梢 81分川澄→高瀬愛実
___大儀見__大野___
宮間__澤___阪口__川澄
宇津木_熊谷__岩清水_有吉
______山根______
[ドイツ女子代表]
GK:シュルト
DF:シュミット、クラーン、ヘニング、ケメ
MF:ゲースリンク、マロジャン、アルーシ、ラウデア
FW:ミッターク、シャジッチ
46分ゲースリンク→ケスラー 56分クラーン→ウェンジング
65分ラウデア→ロイポルツ 84分シャジッチ→デーブリッツ 86分マロジャン→ベーリンガー
_____シャジッチ___ミッターク_____
アルーシ__マロジャン___ゲースリンク__ラウデア
ケメ____ヘニング___クラーン___シュミット
________シュルト________
前半から自陣に押し込まれる状況が多かったのですが、シャジッチ・アルーシ・ミッタークといった突破力のある攻撃陣を、ゴール前で決定的な仕事に至らせない守備力は、アメリカ戦・スウェーデン戦でも同様に、粘り強い対応を見せていたなでしこでした。
自陣からビルドアップして行くところ、ドイツの前線からのプレッシャーが迫り上がって来て、ミスの許されない状況のもと、慎重にボールを回し隙をうかがいながら攻撃を推し進めて行く。緊張感が伝わって来て見応えありました。
中盤に相手の圧力を掻い潜った縦パスが1本入る。そこからテンポアップして連動し、攻めあぐねながらも、時折チャンスが生まれる。スウェーデン戦と同じく、川澄選手の右からの攻め上がりが有効でした。
攻守の切り替わり時の間隙を縫った速攻は、劣勢を好機へと転換する、なでしこの真骨頂といえるところ。
欧米の列強に対するいなし方、クレバーに心得ています。実際、2011年W杯でドイツに勝ったときも(アメリカも)、昨夜の対応と変わりはなかったと見受けます。凌ぎながら、少ないチャンスをものにしてきたからこその栄冠だったでしょうか。
ですから惜しいのは、前半28分の大儀見選手のゴールが決まっていれば、おそらく日本の後半の入りも違っていたのではないかと思えました。
後半、出鼻を挫かれて、矢継ぎ早の失点を献上。攻勢に出たその後は、これまでのなでしこの体を成さない、バランスの崩れたままの終了となりました。
間延びして、ドイツの反撃を容易に許す。ドイツの球際の激しさが徐々に効いてきて、精彩を欠いて行く選手たち。
もしアルガルヴェでなく、W杯やオリンピックの決勝戦なら、澤選手の交代はよっぽどのことがない限り、無かったとは思えます。澤選手のアグレッシブな立ち回りが、今大会対戦した各国に容易に攻め入れさせない原動力になっていたのは、相手が強豪になればなるほど発揮されていましたので。
やはり絶対的な存在であり、各々が果たす役割が統率される流れになる、全体が引き締まります。
ドイツは、ケスラーという攻守にとても精力的な、トップスピードに乗ったままボールを前に運べる攻撃的なMFを後半から起用。右サイドバックのビアンカ・シュミットの上がりなどを見るに、ゴール前まで迫る勢いで、後半に二段構えの攻勢を、前半に成し得なかった意地をも、ぶつけて来た感じがうかがえました。
適宜入れ替わって入った選手も、スタメンと遜色なくひじょうに層が厚い。総合力でもドイツは抜かりなく、底上げがしっかりできている。
ドイツ女子代表は、今回起用されたマロジャン、ヴェンジング、ロイポルツ、他4人の計7選手が、2012年U20W杯JAPAN準優勝時のメンバー。今回のなでしこジャパン遠征メンバーに、同大会当時のU20日本女子代表メンバーは、ゼロでした。今後の大きな差でもあります。
後進の育成をなんとか促していかなくては、国際的な適応力を付けるために、私的に思うところでは、20歳前後の伸び盛りの選手たちが、どんどん海外で経験を積むべきです。女子の旬は早いので、アンダー世代での国際実績を、国内で絶やしては成りません。
ドイツは確かに強かったです。でもなでしこは、今までの戦い方を変える必要はないと思います。体力的には土台適わないのですし。
相手の力を吸収しながら、しなやかな対応力こそ、なでしこたるスタイルであり今後も継続すべきです。
リードを許しても慌てず、スタイルを変えない粘り強さが、やがて好機を生みます。過去の実績が示すとおりに。
悔しく感情的になります。
ほんのボタン1つの掛け違いで、大きな差を導く気がしてならないです。それだけ、なでしこジャパンは繊細でもありますが。
この選手の切れ味があまり発揮されなかったのも残念ではありますー
ただ、私的には澤選手の後に、中盤に起用しても面白いと思います。実際、ドイツ代表の最多を輩出しているリーグ1位のフランクフルトのレギュラーとして定着し、主に守備的な役割でチームを後方から支える貢献を果たしています。阪口選手との受け渡しがしっかりできれば、豊富な運動量を駆使して球際に強いぶん、じゅうぶん通用すると思えます。
宮間選手は代表では、サイドを主戦場に、中に入って来て攻撃の起点になるだけに、それにサイドを補う守備力が優れている点においても適任だと思えます。中盤のMFとしてでは、相手によっては低い位置に終始してしまい勿体無いです。
なでしこは両サイドにアタッカーを置くよりも、コントロールきるサイドプレイヤーを片方に配置したほうが、全体のバランスを保ちながら、展開力のある攻撃を推進できる気がします。宮間選手に他ならないのですが
0-3とされ、敗色濃厚となった時間経過に、残り2選手の交代枠がありましたから、ドイツ代表との実際の経験を積ませる上でも、今大会出場なく終わった三宅選手をはじめ、木龍・明日菜・北原などの選手起用でもよかったのではないかなとも思えました。
ドイツはしかし、生真面目で、ゲームの全てにおいて支配し、完結しようとする実直さを、あらためて覚えました。後半に入る前、相当喝を入れられたor互いに入れ直したんじゃないでしょうか。
ただ、なでしこだって、結束力では決して引けを取らないはずです。
今回このような結果に終わったとしても、もっと大きな舞台でこそ、屈辱をバネに結果をもたらせるように、各選手の奮起に期待したいですー