ーホームゲームで差別的な内容の横断幕掲出に対し浦和レッズに制裁を決定ー
(Jリーグ)
Jリーグ・村井チェアマンは、3月8日に開催されたJ1第2節「浦和レッズvsサガン鳥栖」で、差別的な内容の横断幕が掲出されたことに対し、以下のとおり制裁を決定。制裁内容は以下のとおり。
【制裁内容】
1.対象行為
2014年3月8日16:00キックオフ 埼玉スタジアムで行われた、「浦和vs鳥栖」の試合において、浦和レッズサポーターにより「JAPANESE ONLY」という差別的な内容の横断幕が、ホーム側ゴール裏席に向かう入場ゲート上コンコースに向けて掲出された。
横断幕の掲出は、14:00~15:00の間から試合終了後まで続いた。
2.制裁内容
(1)譴責(始末書をとり、将来を戒める)
(2)無観客試合の開催(入場者のいない試合を開催させる)
※対象試合:Jリーグディビジョン1第4節 浦和レッズ vs 清水エスパルス
2014年3月23日(日)15:00キックオフ (埼玉スタジアム2002)
※Jリーグからの制裁内容については下記参照
http://www.j-league.or.jp/release/000/00005691.html
3.制裁の理由
浦和レッズは、スタジアム内で不適切な内容が書かれた横断幕が掲出されたにもかかわらず、試合終了後まで当該横断幕を撤去できなかった。
横断幕の記載内容は「JAPANESE ONLY」であり、差別表現と受け止めた方もいることから、その掲出意図に関わらず差別的内容と判断できる。
国際サッカー連盟(FIFA)は、2013年5月の総会で「反人種差別・差別に関する戦い」に関して決議し、各国協会に対してガイドラインを提示、関連する規程を整備する等適切な対処を求めている。
これに対し、日本サッカー協会(JFA)、Jリーグにおいても、周知徹底を行ったり、トラブル事案が起こった際の手続きを定めたり、各クラブに周知する等の対策を実施している。
レッズは2010年に、サポーターが本件と類似したトラブルを起こし制裁を受けており、本件は累犯となる。また浦和サポーターは、それ以外にもこれまで度々トラブルを起こし、Jリーグから再三の制裁を科されているにも関わらず、本件のような結果に至った責任は非常に重大である。
ー3月8日 浦和対鳥栖 サポーターによるコンコース入場ゲート横断幕掲出についてー
(浦和レッズ)
Jリーグ第2節「浦和vs鳥栖」、レッズ側ゴール裏北サイドスタンドのコンコース入場ゲートにサポーターによる差別的と考えられる横断幕が掲出された。
レッズが横断幕の掲出を認知後、撤去までの間1時間余を要する等、レッズが差別を容認したと受け止められるような対応があった。
Jリーグ会員、JFA、FIFAを含めたサッカーファミリーの一員として、浦和レッズは差別の根絶を行う立場にありながら、深刻な事態を引き起こしましたことを、関係される全ての方々に心から深くお詫び申し上げます。
1.横断幕掲出行為の事実関係
(1)14:00~15:00の間
・レッズのサポーターグループの3名(X、Y、Z)が試合当日スタジアム敷地内で作製した横断「JAPANESE ONLY」を浦和レッズ側ゴール裏スタンドの「209ゲート」の入口に、ピッチとは反対側に向けて掲出。
(2)15:30頃
・現場を担当する警備員(A)が普段の試合では掲出されない横断幕の存在に気づき、警備責任者(B)に連絡。警備責任者(B)は「209ゲート」で当該横断幕を確認。
・この際、サポーターグループのメンバー(Z)から警備責任者(B)に「この横断幕は問題ないでしょう?」「何かあれば俺に言ってくれ」との話があった。
警備責任者(B)は肯定も否定もせずその場は終了。警備会社の本部には連絡せず。
(3)16:58頃
・横断幕の掲出について、「209ゲート」付近にいた警備員(C)が、ファンから「この幕は良くない。差別と捉えられかねない」との指摘を受け、警備責任者(B)を通じ警備会社の本部に連絡。ほぼ同時にソーシャルメディア上で情報を取得したクラブスタッフ(ア)がクラブ運営本部に連絡。
(4)17:09頃
・クラブ運営本部は当該横断幕を画像とともに確認。問題がある掲示物との判断のもと、警備会社に対し、当該横断幕を速やかに撤去するよう指示。ほぼ同時に別のクラブスタッフ(イ)も当該横断幕を現場で確認。
(5)17:10~17:15頃
・警備責任者(B)は、15:30頃にすでにメンバー(Z)と応対していたことから、スタンドにいたメンバー(Z)を呼び、スタンド外で「今すぐ剥がして欲しい。クラブからの指示である」「ソーシャルメディアにも出ていて大きな事案となる」と撤去を要求。
メンバー(Z)は「試合中のため厳しい」「無理」という回答をした後スタンドに戻る。
(6)17:15頃
・警備責任者(B)はメンバー(Z)とのやり取りで、合意が得られなかった旨、警備会社本部を通じてラブ運営本部に連絡。
・横断幕については、サポーター当事者との合意の上撤去する手順となっており、クラブ運営本部は「試合後、速やかに対応する」よう警備会社に指示。
・この状況に対しクラブは、現場へのスタッフ派遣、緊急対策本部設置等の対応を行わず。
(7)17:35頃
・警備会社スタッフ(D)は観戦していたファンから「撤去するべきではないか」との指摘に対し「試合終了後に対応させて頂きます」と答える。
(8)18:04頃
・試合終了後、当該サポーターグループが横断幕の撤去を行わないままだったので、警備員(C)はメンバー(Z)に取り外す旨声を掛けた上で、横断幕を撤去。
この間、当該横断幕の掲出撤去の事実を知るクラブスタッフは計6名。
(9)22:00頃
・ソーシャルメディア等で本事案が大きな波紋となっていることを受け、広報部を中心に本事案についての公式メッセージ発信に向けた作業を開始。
(10)23:00頃
・本事案に関する公式メッセージ案を共有するため、社長を含む幹部に対して本事案に関する情報が伝
えらる。
(11)23:50頃
・オフィシャルサイトにて第1報を発信。
浦和レッズは、当該横断幕について、掲出に至った背景や掲出の場所等を含め総合的にみて差別的行為と判断。
<差別的発言について>
・差別的行為にあたる横断幕の取り扱いを適切に行えなかったのは、クラブスタッフの差別に対する感度の低さが最大の原因と考える。
このほか、警備・管理体制の不備、クラブと警備会社、クラブ内部で情報共有ができなかったことも要因。
さらには、横断幕の取り扱いに関する長年にわたるクラブとサポーターの間の取り決め等で、主管者として主体的な運営管理がしにくい体制になっていたことも根底にある。
・どのような理由があろうと、当該横断幕は掲出されてはならず、仮に掲出された場合は即時に撤去されるべきもの。掲出後に長時間放置されたことは重大な過失であると受け止めている。
・試合当日のスタンドで、警備体制を強化し、ピッチ等から差別的発言の有無を注視した。ゴール裏スタンド内に配置した警備会社スタッフより、試合後、差別とみられる発言があったとの報告を受けた。
このため、スタンドにて応援していたサポーターの皆様に広く情報の提供を呼び掛けました。その結果、スタンドでは一部選手へのゲートフラッグを掲げていたサポーターに対し、数人の男性がゲートフラッグをおろすように強制したり、差別的発言をしていた者がいた等の情報も入っている。
(じゃあ撤去されなかったこれは??言及されていませんよね)
3.処分について
(1)サポーター等
・掲出行為を行った者が所属する当該サポーターグループに対して、無期限の活動停止処分。
・当該グループに所属するメンバー全員に対して、浦和レッズが出場するすべての試合について、無期限入場禁止の処分。
(2)クラブスタッフ
・淵田敬三社長の役員報酬の自主返納(20%、3か月間)
・関係社員についても、社内規定に従って処分を検討。
4.今後について
これまでの度重なるサポータートラブルに加え、「差別的行為」という重大事案の発生により、浦和レッズは、スポーツクラブのひとつとしての存在意義を失うという深刻な危機に直面していると認識しております。
浦和レッズは今回の事案を機会に生まれ変わることを宣言します。
スポーツはどうあるべきかを抜本的に見つめ直し、本当の意味でのプロサッカークラブとなるための取り組みを新たに展開します。老若男女すべてが楽しむことが出来、差別なく公平に扱われるスタジアム、スポーツがあることの幸せを感じられるホームタウンになることが、「安全で快適なスタジアム」であり「Jリーグ百年構想」の具現化であります。実現に向けて不退転の決意で全力で取り組みます。
スポーツの素晴らしさを感じたり発信できる環境を強力に整えます。
もちろん、スタジアムに「政治と宗教」は持ち込みません。
困難で長い道のりであろうとスポーツクラブとしてのあるべき姿を純粋に徹底的に追求して参ります。
そのようなクラブとなるために、当面下記の対応策を実施致します。
これ以外につきましても、順次検討・実施して参ります。
<当面の施策>
(1) 警備体制について、警備員の増員等強化。
連絡・情報共有体制から現場での配置、対応に至るまで抜本的に見直し実施。
アウェイゲームで、多くのクラブスタッフを派遣、スタンド内においてトラブル防止に努める。
(2) 3月15日に行われるJリーグvsサンフレッチェ広島以降、リーグ戦、カップ戦とも、ホーム、アウェイを問わず、浦和レッズのファン・サポーター全員に対し、すべての横断幕、ゲートフラッグ、旗類、装飾幕等の掲出を禁止。
<その他施策>
(1) スタジアムにおけるクラブとサポーター間にあるルールや慣習等について、クラブが責任ある管理を実施できるよう、ルールを新たに作っていく。
(2) サポーターによる差別行為・発言については、実行者に対しては「最低2年間、スタジアムへの入場を禁止」等の処分。
(4) 席割りの変更等をはじめ、だれもが安心して観戦できるような取り組みを実施のため、ファン・サポーターを含む外部の方からの意見を聴取する仕組みを構築。
(5) 人権や差別に関する専門家の協力を得て、クラブスタッフに対し反差別についての教育を行い、人権意識の水準を高めていく。
2010年の宮城スタジアムで、レッズサポーターによるスタンドの器物破損、差別発言から、仙台サポーターの多くの方からお叱りを受けたことを思い出します。
殊更にとある選手に対しての差別発言については、仙台のサポーターの方から、ブログに抗議のコメントも来ましたので印象強いです。
外から今回の処罰をうかがわれるなら、まだ甘いのではと受け取られるかもしれません。実際レッズサポの立場でないと想定した場合では、そう思えました。
ただ処罰以上に、外からどう見られるのかといえば、今回の不祥事を踏まえた上で、浦和の応援はもとより、素行についても注視されるのは明らかでしょう。
私的には、アウェースタジアムに乗り込んでの振る舞いには、特に気をつけていこうと思います。
レディースであっても同様であり、常に衆目に関心を持たれていることを意識しながら、今まで以上に自覚していかなくてはならないのかな、と。
無観客試合明けの翌週神戸での試合、土曜日のヴィッセル戦だけでなく、日曜日のINAC神戸とのレディース開幕試合でも、厳しい規制のもとでの観戦になることは覚悟しております。致し方ないでしょう。
それでも応援場を設けていただけたら幸いです。
無観客試合となり、アウェーから訪れる予定であられた清水サポーターの方々には、ご迷惑をおかけして申し訳ないことです。
私などが頭を下げても、何もできませんしどうにもならないことでしょうが、末端の1サポーターに過ぎませんが、お詫び申し上げます。