スフィーダ世田谷 vs 愛媛FCレディース 観戦記 | うらじょ

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◆プレナスチャレンジリーグ2013 第11節◆

2013年06月16日 12:00 キックオフ @大蔵総合運動場(東京都


スフィーダ世田谷FC 1-0 愛媛FCレディース


得点:70分 森仁美



【スフィーダ世田谷FC】


-------森------石渕-------


下條--田中真---冨山---薄田


永田---臼井----岡田---福原


-----------川口-----------


64分/薄田→社納 石渕→長澤
87分/下條→堀



【愛媛FCレディース】


----------阿久根----------


西川-------小川--------小野


-------山城-----岩本-------


堀江---小野山---串山---葛間


-----------上野------------


62分/小川→中田
86分/小野→丹羽




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断続的な小雨がぱらつき、多湿でベタつく不快さを覚える曇天、至るところ明らかに芝がはげ上がって土が露出している不良なピッチ状態。試合へのぞむに気の毒に感じられる環境の下、キックオフ。


やはり序盤から、高いラインを保って持ち前の攻撃性を押し出して行こうとする世田谷。相対して愛媛は、マイボールから縦に素早く前線へ供給していく意識が徹底している。互いの攻防が、センターサークルを挟んで、とてもコンパクトな集約の中で繰り広げられて行きます。


世田谷は、時にピッチ状態を感じさせない息の合ったショートパスを展開させ、主にサイドからの攻撃が有効となり、ゴールに迫るたびに会場が湧き上がります。メインスタンドでも、チャンスを逸したため息が漏れ聞こえ、世田谷に熱い思いのサポが多いのがうかがえます。

機をうかがってのポジションを越えた攻撃参加があったり、世田谷というチームの自由闊達さがうかがえるゴールを目指す姿勢には、いつもながら魅了されます。


第一に、お客さんを楽しませようという攻撃的サッカーは、今回はそれほど発揮できなかったでしょうが、このチームの根底にあるのではないかと思うところです。いかに攻撃的に徹し得るか、それは時に決定的なピンチを招いたとしても、貫かれてる感じがうかがえるのです。バックパスが、ホント少ない!

ポジティブな姿勢を前面に押し出すことは、次第にファンを呼び込むのです。球際はおのずと激しい攻防となり、迫力のあるゲームが展開されます。



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ただ今回は、愛媛の世田谷に対しての、こちらも徹底したプレッシングサッカーが素晴らしく、功を奏していたと見受けます。

チーム全体に統一された意識として、前線~中盤がチェイシングを仕掛け、素早く寄せて複数で囲み、サイドでは際に追い込み前に出させない。球際の攻防で絶対に負けない、選手たちの強い思いが伝わって来ます。

世田谷より身体的に小柄な選手たちが出来うること、いかに運動量で凌ぎ数的有利を作り、局所での競り合いに入り込んでボールを奪うかが、世田谷の持ち前の攻撃力を封じていたのではないでしょうか。

F石渕・森選手ら強力FW陣が、なかなかシュートまで行けていませんでした。


90分衰えることなく、常日頃から鍛錬されてきたからこその対応力と優れた俊敏性を発揮していたと思います。

ボールを奪取すれば、すかさず世田谷の、DFとGKの間に対処しずらいフィードを蹴り込んでくる。たとえチャンスが薄い前へのボール出しでも、常に全速力で追いかける愛媛の前線の選手たち。

愚直なまでの姿勢が、決定的なチャンスを明らかに2度はつくっています。先制できる惜しい場面がありました。

巧みなパス回しや戦術ではなく、シンプルに前に出されたボールに対して、どんどん縦に勝負を挑んで行く。その潔さというか溌剌ぶりが印象的でした。見るべき価値はじゅうぶんに感じられました。


試合の方は、後半25分に左からのFKに、ゴール前でFW森選手が巧みに合わせて世田谷が先制。
愛媛は後半途中出場のMF中田麻衣子選手が、トップ下から攻撃の起点として奔走しますが及ばず。アディショナルタイムに得たPA前中央からの絶好のFKを、ゴール枠外へはずしタイムアップ。

世田谷は、なかなか得点できずに苦しんだ様子でしたが、前半から惜しい場面をつくっていた得意のセットプレイから決め、ホームゲームに勝利をもたらしました。



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ヒロインインタビューに、スポンサーであるケーブルTV局のゆるキャラも登場。子供たちに大人気でした。

スフィーダ世田谷の番組が新たにスタートし、カメラクルーの数が多い。進行慣れたベテランのインタビュアーを配し、選手の盛り立て方が上手いです。

会場と一体となって勝利を分かち合い、なでしこリーグ昇格を目指す機運の高まりは、昨年より明らかに活力に満ちています。勢いを感じさせますー



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会場を出る帰り際の出口では、スフィーダの試合日程表が載った大小1枚ずつのチラシが配布され、両脇に整列した下部組織の子たちが、お客さん一人一人に対して「ご来場ありがとうございましたー!」と深々と頭を下げてくれます。

かつてない、おもてなしの心地よさを覚えました。

また見に来たくなる、スフィーダ世田谷の地道さには頭が下がる思いですー