日テレ・ベレーザは28日、日本代表FW岩渕真奈がドイツ女子ブンデスリーガ2部に所属するTSGホッフェンハイムに移籍することが決まったと発表した。来年1月に渡独し、身体検査を経て正式契約を結ぶ予定。
◆岩渕真奈選手移籍のお知らせ→ 日テレベレーザHP
***ホッフェンハイム(Hoffenheim)HPより。
http://www.achtzehn99.de/frauen-japanische-weltmeisterin-wechselt-zu-1899-hoffenheim/
昨日日本での移籍発表後、ホッフェンハイムのHPでも「日本の世界王者がホッフェンハイムに加入する」と、岩渕選手を紹介する記事が載っていました。
18歳にしてワールドカップチャンピオンとなり、並外れた才能あるストライカーが、ホッフェンハイムに来ることに大いに期待を寄せている様子です。
ブンデスリーガ昇格への助力となるチームにフィットする選手として、時間をかけて交渉し、移籍が実現した事を大変喜んでいます。
すでに岩渕選手自ら練習場や周辺環境を視察に行ったのか、気に入ってる様子で今後に向けても意欲的な感じがうかがえます。
15歳にしてU17ワールドカップでゴールデンボール賞(大会MVP)を獲得したことも、紹介されています。
ホッフェンハイムは、男子の宇佐美選手と合わせ、2人の日本人選手を保有することとなりました。
そういえば岩渕選手(1993年3月生)と宇佐美選手(1992年5月生)は同学年なんですね、20歳にしてすごいことです!
岩渕選手が入団することとなるホッフェンハイムと女子ブンデスリーガの構造について、少し調べてみました。
現在ホッフェンハイムは、ドイツ女子ブンデスリーガの2部に相当するツヴァイテ・ブンデスリーガ(2. Bundesliga Women)のSüd(南)に所属しています。
ツヴァイテ・ブンデスリーガは、Süd(南)とNord(北)に分かれた各12チームでリーグ戦を行っています。
ドイツ女子サッカーリーグは、ブンデスリーガ(Frauen Bundesliga)がトップリーグで頂点とし、 ツヴァイテ・ブンデスリーガ(2. Bundesliga Women)が続き、その下には3部リーグに相当するRegionalliga Women があり、さらにその下に4部リーグといえるのかVerbandsligaというカテゴリーまであるという(さらにその下もあると聞いたことあり、6部?とか)、とても大きな構造を成しています。
各々のカテゴリーをまとめると以下のとおりです↓
■Frauen Bundesliga(Women's Bundesliga)
・12チーム。ドイツ女子のトップリーグ
■2. Bundesliga Women
・Süd(南地区)12チーム
・Nord(北地区)12チーム。
*各地区リーグ1位がFrauen Bundesligaに昇格。各地区リーグ11位と最下位がRegionalliga Womenに降格。10位がRegionalliga Womenとの入れ替え戦へ。
■Regionalliga Women
・Südwest(南西地区)10チーム…リーグ1位が2. Bundesligaに昇格。最下位がVerbandsligaに降格。
・Süd(南地区)12チーム…リーグ1位が2. Bundesligaに昇格。11位と最下位がVerbandsligaに降格。
・West(西地区)14チーム…リーグ1位が2. Bundesligaに昇格。11位と最下位がVerbandsligaに降格。
・Nord(北地区)12チーム…リーグ1位が2. Bundesligaに昇格。最下位がVerbandsligaに降格。
・Nordost(北東地区)12チーム…リーグ1位が2. Bundesligaに昇格。最下位がVerbandsligaに降格。
※各地区の下位チームにはVerbandsligaとの入れ替え戦の可能性あり。
■Verbandsliga
詳細不明でーす(^_^;)
ホッフェンハイムは、男子のトップチームはTSG 1899 Hoffenheimという正式名のとおり、1899年創設というひじょうに歴史のあるチームですが、女子に関してはホームページを見ますと、リーグ戦での対戦成績が2009ー2010年シーズンからのものしか載っていません。
ですので、女子部の創設自体はいつなのかはわかりませんが、本格的にリーグ戦に参戦し始めたのは、まだ最近?のことのようにも推察されます。
ホッフェンハイムが、2. Bundesligaに昇格する前に所属していたRegionalliga Women Süd(南地区)リーグの創設も2000年と最近のことです。
ホッフェンハイムは、2009ー2010年シーズンにRegionalliga Women Südで優勝し、2. Bundesliga Süd(南地区)に昇格。
2010ー2011年シーズンは12チーム中3位(全22試合)、昨季2011ー2012年シーズンは2位と昇格まであと一歩のところまで迫り、今季2012ー2013年シーズンは現在9試合を終え、8勝1敗勝ち点24で2位につけています。
現所属選手の主なところでは、スイス代表の中心選手で昨季まで強豪ヴォルフスブルクで活躍していた、MFのマルチナ・モーザー(M.Moser)や、今年日本で行われたU20ワールドカップのドイツ代表として来日し、大会優勝メンバーのGKアンケ・プロイス(A. Preuß)などがいます。※プロイス選手はU20W杯出場機会なし。
そして、驚きなのは、ドイツ代表として長らく中心選手として活躍、ドイツ女子代表の顔とも言える存在を示してきたFWビルギット・プリンツ(Birgit Prinz)が、ホッフェンハイムに現役復帰していることです。
2003~2005年3年連続でFIFA年間最優秀選手に選ばれ、W杯優勝をはじめ得点王など数多くのタイトルを獲得、ワールドカップ 歴代トップスコアラー 14得点の記録保持者。
ドイツ女子代表として214試合出場128得点(1994~2011年)、ブンデスリーガではフランクフルト時代に227試合出場259得点という最多得点の記録を持つプリンツが、2011年7月に行われた女子ワールドカップ・準々決勝の日本戦敗戦以来、35歳にしてブンデスリーガ2部に復帰を果たしているのです。
プリンツ選手は、10月7日のドイツカップ戦で復帰から、間を空けて11月にリーグ戦でもスタメン出場し、3試合出場2得点と活躍。しっかりと健在な様子です。
ホッフェンハイムが、まずはトップリーグ昇格へ向けて、着々と選手強化に乗り出しているのがうかがえます。
1位のケルンとは、次節12月2日に直接対決があり、最終22節の5月26日にも対戦。トップリーグへの昇格をかけた争いとなるのでしょうか。
岩渕選手は、来年からチーム合流の予定。2. Bundesligaは、12月9日で年内の日程は終了→ウィンターブレイクに入り、再開は2013年3月3日からとなっています。
ホッフェンハイムは、3月3日にザールブリュッケン(Saarbrücken)と対戦、岩渕選手のドイツデビューが、この時見られるでしょうか。
ぜひ、万全の状態でデビュー戦を迎えてもらいたいものです。
プリンツと岩渕真奈のツートップ(プリンツ、ワントップの岩渕シャドーかな)、活躍が楽しみです!